ワンステップバス

ワンステップバスの概要

ワンステップバスは、乗客が容易に乗降できるように設計されたバス車両で、乗降口にはステップが1段だけ設けられています。特に中ドアには車いす用スロープが装備され、車いす利用者でも安心して利用することができます。

日本における基準

このバスについては、日本のバリアフリー新法に基づく「公共交通移動等円滑化基準」が定められています。この基準では、バスの床面の地面からの高さを65cm以下にすることが義務付けられています。初の本格的なワンステップバスである「京急型ワンステップバス」は、当初床面高さ650mmに設定されていましたが、現在では530mm程度のバスが日本で製造されています。多くのワンステップバスには、ニーリング機能が装備されており、エアサスペンションを用いることで、乗降時に車高を下げ、歩道との段差を少なくすることができます。

ワンステップから派生したバス

なかには、ワンステップバスを基にしてステップを2段にしたバスも存在し、東京都交通局の「らくらくステップバス」などがその代表です。ワンステップバスは、専用部品が少ないために製造コストが安く、乗降時の段差が低いことで収容力にも優れています。そのため、多くのバス事業者がノンステップバスではなくワンステップバスを主体に導入しています。2017年時点では、国産ワンステップバスは三菱ふそう・エアロスターのみの製造となっています。

歴史的背景

日本初のワンステップバスは、1970年に登場した三菱車両が開発したもので、床面高さ580mmという画期的な設計を持っていました。しかし、この特殊な設計により走行上の制約もあり、空港ランプバスでの導入が主でした。その後も続けてさまざまなワンステップバスが試作・製造されましたが、本格的な普及はバリアフリー法の制定によって進んでいくことになりました。

京急型ワンステップバス

1988年に京浜急行電鉄と日野自動車が共同開発した「京急型ワンステップバス」は、以降のワンステップバスの基準となりました。安価な製造を目的とし、都市型低床車を基に床面高さを650mmに抑えた設計です。1996年に床面高さが530mmに改良されると、車いす用スロープも標準装備され、乗りやすさが向上しました。

他のタイプのワンステップバス

東京都交通局向けに初のワンステップ超低床車が登場したのは1991年で、以降、リフト付きの超低床バスが製造されるようになりました。これらは特注の高価な車両であり、都営以外の納入例は非常に少数に留まっています。中型車や中型ロング車も早くからワンステップ化が進められ、1996年時点では床面高さ530mmのモデルが広く普及しました。

中型短尺車

また、中型短尺バスも1996年に開発され、全長が短体でありながら最大48人乗りが可能となりました。こうしたバスの導入によって、狭い道路での走行性能の向上が期待されています。

結論

ワンステップバスは、多様なニーズに合わせた構造を持ち、障がい者や高齢者でも利用しやすいバスとして、今後も更なる普及が期待されています。

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