ワールドライン (フランスの企業)

ワールドライン社：グローバルな電子決済プラットフォーム

ワールドライン社（Worldline S.A.）は、フランス・ブゾンに本社を置く、電子決済プラットフォームの開発・運営を専門とする企業です。ユーロネクスト・パリ証券取引所に上場しており(Euronext: WLN)、世界25カ国以上に事業拠点を展開するグローバル企業として知られています。

歴史と成長

ワールドライン社の歴史は、1970年にクレディ・リヨネ（現クレディ・アグリコル）が設立したデータセンター子会社スリガ（Sliga）にまで遡ります。その後、数々の合併や買収を経て、決済サービス事業を拡大してきました。

特に、アトスとの関係は深く、アトスの前身企業であるアクシム（Axime）による買収や、アトス・ワールドラインとしての事業統合を経て、現在のワールドライン社が形成されました。2014年には、アトスから決済部門が独立し、ワールドライン社としてユーロネクスト・パリに上場を果たしています。

上場以降も、ワールドライン社は積極的な買収戦略を展開し、オランダのPaySquare、アメリカ合衆国のファースト・データのバルト三国事業、スイスSIXグループの決済部門SIX Payment Services Europe S.A.などを傘下に収めてきました。2020年には、世界最大の電子決済端末メーカーであるインジェニコ・グループを買収し、ハードウェア面でも更なる強化を図っています。これにより、決済システムの提供から端末の販売まで、幅広いサービスを提供できる体制を整えています。

グローバル展開と地域別売上

ワールドライン社は、欧州を中心に、アジア（中国、台湾、インドなど）、南米（ブラジル、アルゼンチンなど）にも現地法人を設立し、グローバルに事業を展開しています。売上高は、フランス、ベネルクス3国、スイスおよびドイツが大きな割合を占めており、欧州での売上高が中心となっていますが、世界各国への展開を積極的に進めています。

日本との関係

日本市場においては、子会社であるインジェニコ・グループの日本法人が東京に拠点を置いています。また、ワールドライン社は、2014年にジェーシービー（JCB）と提携し、ヨーロッパにおけるJCBカードの顧客基盤拡大に協力しています。これは、ワールドライン社のグローバルなネットワークとJCBのブランド力を組み合わせた戦略的な提携と言えます。

まとめ

ワールドライン社は、長年にわたる歴史と積極的なM&A戦略、グローバルな事業展開によって、世界有数の電子決済プラットフォーム企業へと成長を遂げました。今後、更なる技術革新と市場拡大が期待されます。その動向は、世界の決済システム業界において大きな注目を集めることでしょう。

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