ヱルトリウム

ヱルトリウム

ヱルトリウムは、人気SFアニメ『トップをねらえ!』に登場する架空の宇宙戦艦であり、地球帝国宇宙軍に属する零等軍艦です。この艦は銀河中心を攻撃するための艦隊の旗艦として位置づけられています。進宙は2035年であり、第五世代の航宙艦に分類されています。

設計と構造

ヱルトリウムの特徴的な点は、その船体が単一の素粒子である「ヱルトリウム」を用いて構築されていることです。この素粒子は、初期設定では1つの水素原子とされています。このため、艦は理論上「反ヱルトリウム」との対消滅がなければ破壊されることはありません。「ヱルトリウム」は人工的に生成された粒子で、反物質が存在しないため、実質的に無敵の状態とされています。艦は特定の型に成形され、「ヱルトリウムのもと」が流し込まれる形で作られます。

アニメの第5話では、この艦の建造中の様子が描かれており、プラモデルのパーツに似た覆いが存在するシーンがあります。これにより、視聴者は艦がどのように組み立てられるのかを垣間見ることができます。

航行技術

従来の航宙艦はニュートン物理学に従って推進力を得ていましたが、ヱルトリウムでは飛躍的な技術革新が見られます。エスパーや電脳化されたイルカが航海士として動員され、艦の周囲の物理法則を書き換える思考主推進（イメージ・アルゴリズム）機関を搭載しています。これにより、艦はスラスターを使わずに航行することが可能となり、亜空間での索敵という以前の航宙艦の弱点を克服しています。

作中での役割

ヱルトリウムは元々は地球からの脱出を目的に建造されましたが、人類がその計画を放棄したため、軍艦として兵装が強化されました。そして、最終的には神壱号作戦（カルネアデス計画）の旗艦として指揮をとることになります。最終話では、艦が大量の宇宙怪獣をレーザーで撃退するシーンが描かれており、その戦闘能力が高く評価されています。

続編における展開

続編『トップをねらえ! NeXT GENERATION』では、艦隊全体が凍結状態となり、艦長や乗員は眠り続けます。それでも、自動防衛システムが作動し、敵からの侵入を防ぎます。非常時には副長の判断で彼らが目覚める描写があり、作戦に参加します。後の物語では、艦がシリウス星系にワープし、宇宙怪獣と戦う姿が描かれています。

『トップをねらえ2!』では、建造中に放棄されたヱルトリウムが、人工惑星「木星」として登場します。また、最終回のシーンでは、赤い天の川の宇宙域で壊れた遺跡状態のヱルトリウムが発見され、現在の状況ははっきりしていないままです。

同型艦とその運命

ヱルトリウム級艦は他にも2隻存在し、それには二番艦アレクシオンが含まれます。アレクシオンは2480年代に地球上で発掘されますが、その技術は失われてしまっています。また、ヱルトリウム級艦から派生した木星は、戦闘用に設計されたものの、実際には戦闘の機会がなかったとされています。

その他の関連作品

ヱルトリウムは、アニメ『ふしぎの海のナディア』にも名前として登場するなど、ガイナックス作品にしばしば登場します。このように、ヱルトリウムはその独自の設定と魅力によって、多くのファンに愛され続けています。

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