ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 (EVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE)

概要

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は、2009年6月27日に日本で公開されたアニメーション映画で、エヴァンゲリオンシリーズの第2作です。この作品は、庵野秀明が脚本と総監督を務め、カラーが制作を担当しています。前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の続編となる本作では、使用される映像技術や音声技術においても最新のものが採用されました。タイトルに含まれる「破」とは、雅楽の「序破急」に由来しています。

ストーリー

物語は旧北極のNERV基地で、第3の使徒が暴れ出すところから始まります。真希波・マリ・イラストリアスの操縦するエヴァンゲリオン仮設5号機が出撃し、荒れ狂う使徒と戦います。激闘の末、仮設5号機は自爆しながらも勝利を収めます。その後、舞台は日本に移り、主人公・碇シンジは父親・碇ゲンドウと母・碇ユイの墓参りをする途中、第7の使徒を目撃。それを撃破するためにエヴァ2号機が出撃します。

新たに登場するキャラクター式波・アスカ・ラングレーは、シンジと同居しながらも独立心が強く、彼との関係を築くことに難しさを感じています。一方で、シンジは作戦の中で父からの評価を受けて喜びを感じ、アスカは徐々に彼を仲間として受け入れることになります。

さらに物語は進み、アスカがエヴァ3号機のテストパイロットに志願することに。だが、エヴァ3号機に使徒が寄生してしまい、暴走を引き起こします。シンジはアスカを救おうとするが、父の指示で初号機はダミーシステムに切り替えられ、アスカの操縦する3号機を破壊してしまうことで、事態は思わぬ展開を迎えます。

キャラクターの成長

物語を通してシンジやアスカ、レイのキャラクターはそれぞれ感情や人間関係に向き合いながら成長していきます。シンジは仲間との絆を深め、アスカはシンジとの交流を通じて孤独感から解放されるきっかけを得ます。一方、レイもまた、自身の存在意義を模索し始め、シンジとの関係を通じて心の温かさを知ることとなります。

使徒との戦闘

映画には数々の緊迫した戦闘シーンが描かれ、使徒との戦いはエヴァンゲリオンのメインテーマの一つです。第8の使徒は自らの進む道を選ぶようにして日本に降下、NERVは対策を練ることになります。そして様々な戦術が用いられ、シンジたちは全力を尽くしてこれを迎え撃ちます。

最終局面

物語の終わりに近づくにつれ、シンジは自らを曝け出し、初号機の覚醒という劇的な展開を迎えます。そこでは、彼が仲間を救うためにどれだけの力を持っているのかが試され、ついには使徒を圧倒する力を目にします。この覚醒した初号機は、シンジの願いと強い意志の結晶として描かれています。

音楽と演出

音楽面でも、宇多田ヒカルにより提供されたテーマソングによって物語の情感が高められています。また、映像の美しさや迫力ある戦闘描写は、観客に鮮烈な印象を残します。

まとめ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は、エヴァンゲリオンシリーズにおける重要な作品であり、各キャラクターの成長、壮絶な戦闘、そして感動的な瞬間が描かれています。物語の根底には、自己と向き合うことが主題として横たわっており、視聴者に考察の余地を与える内容となっています。この作品を通じて、新たなエヴァンゲリオンの世界観が確立され、続く作品へとつながる重要なステップを築くことになりました。

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