ヲノサトル

ヲノサトル：ジャンルを超越する作曲家

ヲノサトル（1964年生まれ）は、秋田県出身の作曲家、ミュージシャンであり、多摩美術大学の教授としても教鞭を執っています。彼の音楽活動は、現代音楽の作曲から始まり、電子音楽、美術、演劇、映像とのコラボレーション、ゲーム音楽、CM音楽、ポピュラー音楽の制作と、非常に多岐にわたります。そのジャンルにとらわれない自由な発想と実験的な試みは、早くから注目を集めてきました。

多様な音楽活動

1987年に新潟大学教育学部を卒業後、東京学芸大学大学院で作曲を学びました。修士課程修了後、現代音楽の作曲家として活動を開始。初期からコンピュータやサンプラーを用いたノイズ即興演奏や実験的な電子音響作品に取り組みました。また、芸術ユニット明和電機では音楽監督兼足踏みオルガン奏者「経理のヲノさん」として、ユニークな音楽活動を展開。ムード音楽バンド、ブラックベルベッツにも参加し、DJとしてもクラブやイベントで活躍するなど、その活動は多岐にわたります。J-POPの分野では、様々なアーティストへの楽曲提供、アレンジ、サポートミュージシャンとしても才能を発揮しています。

受賞歴と執筆活動

ヲノサトルの才能は数々の賞によっても証明されています。第11回神奈川県芸術祭合唱コンクール入賞、1988年日本現代音楽協会作曲新人賞をはじめ、受賞歴多数。また、音楽評論、エッセイ、雑誌連載など、執筆活動も活発に行っています。『ヲノサトルの甘い作曲講座』など、作曲に関する著書も出版しており、その知識と経験を広く共有しています。

教育者としての活動

2015年からは、多摩美術大学美術学部の教授として、映像論、サウンドデザイン論、音楽ゼミなどを担当しています。次世代のアーティスト育成にも力を注ぎ、独自の視点と実践的な指導で学生たちを魅了しています。

ディスコグラフィー

ヲノサトルの作品は、シングル、アルバムを含め多数リリースされています。

シングル
甘い科学 (1997年)
SCOPIC (2020年)
Step Never Stop (2022年)

アルバム
ビキニ・ムーン (1998年)
SAUVAGE (1998年)
ORGELPUNKT (2000年)
弦楽四重奏曲 (2002年)
エルニーニョ (2003年)
SONATA for sine wave and white noise (2003年)
マセマティカ (2003年)
SAUVAGE e.p. (2006年)
ムードコア・ポッセ (2011年)
舞踏組曲 (2011年)
ブルーモーメント・ライヴ (2011年)
ムードコア・スカッド 1 (2011年)
ムードコア・スカッド 2 (2012年)
メメント・ライヴ (2012年)
ナイトキャップ・ビフォア・クリスマス (2012年)
ムードコア・リズムマシン (2013年)
ムードコア・サウンドクルーズ・ライヴ (2013年)
ロマンティック・シーズン (2014年)
fragments (2016年)
アコースティック・ボディーズ (2020年)

音楽担当作品

映画、テレビ、ゲーム、CM、展示映像、ダンス、ウェブサイトなど、様々なジャンルで音楽を担当しています。

映画
deep forest (1997年)
無問題2 (2002年)
Break Out ! (2004年)

テレビ
スペースシャワーTV ステーションID(1991年)
IN CONTROL (1993年 MTVジャパン)
ちきゅうのおと (1994年 NHK BS2『真夜中の王国』)
インターネット情報局 (2000年 NHK教育テレビ)
天才ビットくん (2001年 NHK教育テレビ)
あたしンちの唄 (2005年 テレビ朝日「あたしンち」)
おふろタイム (2018年 NHK ETV 「みいつけた!」)
ともだちさ (2019年 NHK ETV 「みいつけた!」)

ゲーム
SUPER PINBALL 2 (1995年)
パネルクイズ アタック25 (1997年)
RacinGroovy (1997年)
KOZOU's Theme(石切山英詔のフリーウェア)

CM
三菱商事 企業PR (1992年)
一番搾りビール (1996年)
デジモン 超進化シリーズ (1999年)
ジョージア ツインハーモニー (1999年)
毎日果実 (2001年)
HOT WHEEL (2001年)
日立製作所 企業PR (2004年)
カラフルル (2004年)
ワゴンR (2005年)
日立ホーム&ライフソリューション 企業PR (2005年)
HONDA JET (2005年)
ボシュロム メダリストII (2005年)
VIPローンカード (2006年)
体内環境正常化委員会 (2006年)
パワースター「きれい宣言」(2006年)
養潤水 (2006年)
109シネマズ IMAXシアター (2009年)
ブラックニッカ クリアブレンド (2010年)

展示映像
唐草～その記憶の旅 (2004年)
青花流水 - Blue and White (2010年)

ダンス
ワン◆ピース (2014年)
十三夜 (2014年)
モナカ (2015年)
いきのね (2016年)
NIPPON・CHA!CHA!CHA! (2020年)

ウェブサイト
TOKYO TRASH サイトID (1996年)

バンド活動

ヲノサトルは、以下のバンドで活動しています。

明和電機 (経理のヲノさん)
ブラックベルベッツ (kb.)
recrep
XILICON
LOVE&JEALOUS（2001年解散）kb. prog.

著書

「甘い作曲講座 -すぐに使える珠玉のアイディア」
「作曲上達100の裏ワザ -知ってトクするおもしろアイディア&ヒント集」
* 「未来の〈サウンド〉が聞こえる 電子楽器に夢を託したパイオニアたち」（訳書）

ヲノサトルは、現代音楽からポピュラー音楽、そして教育の現場まで、幅広い分野でその才能を発揮し続けている、まさにジャンルを超越した音楽家と言えるでしょう。

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