ヴァイオリン協奏曲第1番 (バルトーク)

バルトーク・ベーラの《ヴァイオリン協奏曲 第1番》BB 48aは、作曲家が初期に手掛けたヴァイオリン協奏曲であり、1907年から1908年頃に作曲されました。この作品は、通常の協奏曲の形式とは異なり、2つの楽章で構成されている点が特徴です。

献呈と封印

この協奏曲は、当時バルトークが愛を寄せていた女性ヴァイオリニスト、シュテフィ・ゲイエルに献呈されました。しかし、ゲイエルは本作を演奏することはなく、楽譜は封印されてしまいます。そのため、バルトークの生前にこの作品が世に出ることはありませんでした。その後、バルトークは第1楽章を改作し、管弦楽作品『2つの肖像』の第1曲として発表しました。

遺作の発見と初演

バルトークとゲイエルの死後、この協奏曲のコピーが指揮者のパウル・ザッハーの手に渡りました。ザッハーは作品の価値を認め、1956年にようやく出版に至ります。そして、1958年5月30日、ザッハー自身の指揮、独奏ヴァイオリンはハンスハインツ・シュネーベルガーによって、バーゼルで遺作として初演され、正式に《ヴァイオリン協奏曲 第1番》として知られるようになりました。

楽器編成

この協奏曲は、独奏ヴァイオリンに加え、以下の楽器によって演奏されます。

フルート2 (第2奏者はピッコロ持ち替え)
オーボエ2
コーラングレ
クラリネット（A管）2 (第2奏者はバスクラリネット持ち替え)
ファゴット2
ホルン4
トランペット2
トロンボーン2
チューバ
ティンパニ
大太鼓
ハープ2
弦五部

演奏時間

全曲の演奏時間はおよそ22分です。各楽章の演奏時間は、第1楽章が約10分、第2楽章が約12分となっています。

楽章構成

1. Andante sostenuto
2. Allegro giocoso

参考文献

Mason, Colin (1958). "Bartók's Early Violin Concerto". Tempo, new series, no. 49 (Autumn): 11–16.
Ujfalussy, József (1971). "Is Bartók's Concerto for Violin Really His Second?" Studia Musicologica Academiae Scientiarum Hungaricae 13, Fasc. 1/4:355–56.

外部リンク

ヴァイオリン協奏曲第1番の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)
* History of the violin concerto and relation to the Two Portraits

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