ヴァイシュヴィルガス

ヴァイシュヴィルカス：リトアニア大公の生涯

ヴァイシュヴィルカス（1268年没）は、リトアニア大公ミンダウガスの息子で、1264年から1267年まで大公の座にありました。彼の生涯は、リトアニアの初期の歴史において重要な位置を占めています。

生涯

ヴァイシュヴィルカスの若い頃についてはほとんど知られていません。1254年にハールィチ・ヴォルィーニ大公ダヌィーロ・ロマーノヴィチとの条約において、父ミンダウガスと共にその名が記録されています。この条約で、ハールィチ・ヴォルィーニ大公国はナヴァフルダクを中心とする黒ルーシをリトアニアに譲渡しました。条約を確固たるものとするため、ダヌィーロの息子シュヴァルナスはヴァイシュヴィルカスの姉妹と結婚し、ヴァイシュヴィルカスは黒ルーシの公に任命されました。

正教会の洗礼を受けたヴァイシュヴィルカスは、宗教的な生活に関心を深め、公の称号と領地をダヌィーロの息子ロマンに譲り、修道院（ネマン川沿いのラヴラシェヴ修道院とされています）を設立して修道士となりました。アトス山への巡礼も試みましたが、バルカン半島の紛争のためナヴァフルダクに戻りました。

1264年、ヴァイシュヴィルカスはトレニオタとダウマンタスによる父ミンダウガスとその兄弟の暗殺から逃れました。トレニオタは後にミンダウガスの臣下によって殺害されました。ヴァイシュヴィルカスは義兄弟シュヴァルナスと同盟を結び、黒ルーシとリトアニアの支配を維持しました。両者はミンダウガスと自分たちへの反抗の中心地であったナリシアとデルトゥヴァに対して戦いを挑みました。ナリシア公ダウマンタスはプスコフへ逃れ、別の有力なナリシア公はリヴォニアへ亡命しました。

リトアニア大公となったヴァイシュヴィルカスは、キリスト教徒としてドイツ騎士団およびリヴォニア騎士団と友好関係を築き、ダウガヴァ川での商業に関する条約をリヴォニア騎士団と締結しました。リトアニアはプロイセンにおける大反乱への支援を停止し、騎士団はセミガリアとクロニアへの戦いを有利に進めることができました。1265年には、シュヴァルナスとヴァイシュヴィルカスの連合軍が、1264年のヤトヴャグによる荒廃の報復としてポーランドを攻撃しました。

1267年、ヴァイシュヴィルカスは修道院生活に戻ることを決意し、リトアニア大公の称号をシュヴァルナスに譲渡しました。しかし翌年、シュヴァルナスの兄弟レーヴ・ダヌィーロヴィチによって殺害されました。レーヴは、ヴァイシュヴィルカスが自分に権力を分け与えなかったことに憤慨していたと伝えられています。ヴァイシュヴィルカスはヴォロディームィル＝ヴォルィーンシキー近郊の教会に埋葬されたと考えられています。

名前について

ヴァイシュヴィルカスの名前の起源は、言語学者や歴史家を悩ませてきました。Woyszwiłkに基づくVaišvilkasと、Vojšalkに基づくVaišelgaの二つの有力な異形が存在します。カジミェラス・ブーガによって最初に復元されたVaišvilkasという名前は、最初の要素vaiš-は議論の余地がないものの、二番目の要素-vilkas（オオカミの意味）がリトアニア人の名前としては非常に稀であるため、初期の形はVaišvilasであったという仮説も存在します。Vaišelga/Vaišalgaの変種は歴史的な文書で次第に普及していきましたが、-algと-elgの部分の起源は不明です。一部の歴史家は、ヴァイシュヴィルカスには二つの名前があり、Vaišvilasはその一つであると主張しています。

ヴァイシュヴィルカスの生涯は、リトアニアの初期の歴史における権力闘争と宗教的影響を反映しています。

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