ヴァイツプ島

ヴァイツプ島：南太平洋に浮かぶツバルの最大の島

ヴァイツプ島は、南太平洋に位置するツバルに属する島で、国内最大の面積を誇ります。ヴァイツプ環礁とも呼ばれ、その美しい自然と独自の文化が特徴です。

歴史

ヴァイツプ島に人が住み始めた時期は明確には分かっていません。しかし、島の口承史によると、16世紀から17世紀にかけてサモア人のTelematuaが島にたどり着き、集落を築いたとされています。また、13世紀にはトンガ人が来訪した可能性もあり、ヴァイツプ島は歴史的にトンガとの繋がりを維持してきました。その関係は、婚姻といった友好的なものから、奴隷を求めるトンガ人による襲撃といった敵対的なものまで様々でした。さらに、キリバス人もヴァイツプ島を訪れていた記録があります。

1860年代には、ロンドン宣教会のサモア人宣教師によってキリスト教が導入されました。宣教師たちは、伝統的な慣習の多くを禁じ、独自の宗教規則を設けました。また、サモア語で書かれた聖書を通じてサモア語を広めたため、島民は自国語よりもサモア語の読み書きに長けてしまうという現象も起きました。

ヴァイツプ島は、ツバルで2番目に人口が多い島であり、2002年の調査では1,591人が居住しています。島には、ツバル唯一の中等教育機関であるMotufoua学校があり、13歳から21歳までの約600人の学生が国内各地から集まっています。比較的大きな島でありながら、1940年代には人口過密となり、一部の住民がフィジーに移住しました。

2000年には、Motufoua学校の学生寮で火災が発生し、女子学生18名と管理人が犠牲となる悲劇に見舞われました。この事件は国際的な注目を集め、当時の首相イオナタナ・イオナタナは、国家的な悲劇として状況を視察するためヴァイツプ島を訪問しました。火災の原因は、学生が夜間に読書のために使用したロウソクであると判明しました。

かつて島にはElisefou小学校がありましたが、1923年に移転し、1953年に閉校となりました。初代校長のD.G.ケネディは厳格な人物として知られ、初代ツバル総督のFiatau Penitala Teoや初代首相のトアリピ・ラウティなど、多くの人材を輩出しました。

地理

ヴァイツプ島の面積は、湿地、マングローブ、裾礁、礁湖を含めて約5.8平方キロメートルです。本島の他に複数の小島があり、合計で少なくとも9つの島から構成されています。

島内の居住地域は、トゥマセウとアサウの2つの集落のみです。教会、小学校、少なくとも1つの民宿、郵便局などの施設があります。中等教育機関のMotufoua学校は約2km、病院は約1kmの距離に位置しています。

交通

ヴァイツプ島へのアクセスは、主にプライベートボートを利用するか、フナフティ島から不定期に運航される政府所有のMV Nivaga II号を利用することになります。

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