ヴァシュガン川

ヴァシュガン川：西シベリアの湿地を潤す大河

ヴァシュガン川は、西シベリアの大河オビ川の左支流であり、ロシア国内を流れる重要な河川です。ハンティ語では「Э́ллё ёган」、セリクプ語では「Варӷ кы」と呼ばれています。

地理

ヴァシュガン川は、全長1,082km、流域面積61,800平方kmに及びます。水源は、西シベリア低地の中央部、オビ川とエルティシ川の間に広がる世界最大級の湿地帯、ヴァシュガン平原の北部に位置します。この地域はトムスク州とノヴォシビルスク州の境界に近く、標高約140m地点です。

川はトムスク州内を北へ流れ、オビ川に合流します。下流の氾濫原では蛇行が激しく、多くの中州や三日月湖が形成されています。河口付近の川幅は約190m、水深は約2.3mです。

水文

合流地点から63km上流の地点における流量は、平均で約328m3/sです。流量は季節によって大きく変動し、2月には最小の81.6m3/sとなる一方、雪解け水が流れ込む6月には最大の951m3/sに達します。ヴァシュガン川は通常、11月から5月にかけて凍結します。

航行

ヴァシュガン川は、オビ川との合流地点から886km上流まで航行可能です。これは、河川交通が地域にとって重要な役割を果たしていることを示しています。

支流

ヴァシュガン川には、多数の支流が流れ込んでいます。主な支流としては、右岸にニューロルカ川、チザプカ川、左岸にチェルタラ川、ヤギリャハ川などがあります。

地域の重要性

ヴァシュガン川の流域は広大な湿地帯が広がっており、独特の生態系を育んでいます。しかし、近年では石油や天然ガスの生産が盛んになり、環境への影響が懸念されています。資源開発と環境保全の両立が、この地域の重要な課題となっています。

外部リンク

Arctic Rivers and Streams - Vasyugan at Point Ust-Vasyugan
Перечень внутренних водных путей Российской Федерации

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