ヴァルドロワール (競走馬)

ヴァルドロワール (Val de Loir) の概要

ヴァルドロワールは、フランスの競走馬及び種牡馬として知られ、1962年にフランスダービーに相当するジョッケクルブ賞を制覇しました。競走馬としてのキャリアは順調なスタートを切ったものの、その後は成績が思わしくなく、翌年のジョッケクルブ賞では当時のチャンピオン馬、エクスビュリに敗れてしまいます。しかし、種牡馬としての活躍は目覚ましく、1973年から1975年まで3年連続でフランスリーディングサイアーに輝きました。また、母の父としても価値を高め、1981年には英愛チャンピオンブルードメアサイアーに選ばれました。

経歴

出自

ヴァルドロワールの父、Vieux Manoirは凱旋門賞を獲得した名馬ブラントームの産駒であり、パリ大賞でも勝利を収めています。種牡馬としても成功しており、ヴァルドロワールが種付けされた1958年には仏リーディングサイアーの座に就きました。

母のValiは、5号族に属し、近親にはヌレイエフやサドラーズウェルズに繋がる血統を持っています。母は1勝を挙げていますが、2着が6回あり、連対率は驚異の50%を誇りました。繁殖牝馬としては、ヴァルドロワールの半妹が1966年オークスを制したValorisを產生しています。母の父Sunny Boyも成功した種牡馬であり、近親にはブランドフォード産駒の三冠馬バーラムがいます。

「Val de Loir」という名は、フランスの重要な歴史都市が点在するロワール渓谷を指します。この地域は「フランスの庭園」と称され、ユネスコの世界遺産に登録されています。

競走馬時代

競走馬としてのヴァルドロワールは、2歳でドラン賞やビリアーズ賞を勝ち、3歳時にはノアイユ賞やオカール賞を連勝してジョッケクルブ賞へ挑みました。このレースでは当時の強豪馬たちを相手に優勝し、その名声を高めました。しかし、その後のレースでは結果が振るわず、特に凱旋門賞では強豪ソルティコフに敗れるなど、勝利から遠ざかりました。

3歳から4歳にかけては、ガネー賞、サンクルー大賞などでも名馬エクスビュリに敗れつつも、ドーヴィル大賞での勝利など、安定した競走を続けました。

種牡馬時代

競走馬を引退した後、ヴァルドロワールはノルマンディーのサッシー牧場にて種牡馬として活動を開始しました。その産駒はクラシックレースに強く、ジョッケクルブ賞をはじめとする多くの重要なレースで優勝馬を輩出しました。その結果、1973年から1975年まではフランスリーディングサイアーを3年連続で受賞する快挙を達成しました。

また、母の父としても数多くの優れた競走馬を輩出し、特にシャーガーの活躍によって1981年には英愛チャンピオンブルードメアサイアーに選ばれました。

おもな産駒

• - La Lagune (1965) - 1968年 オークス制覇
• - Chaparral (1966) - 1969年 パリ大賞
• - Val de l'Orne (1972) - 1975年 ジョッケクルブ賞
• - Shergar (1978) - 1981年 英ダービー、愛ダービー制覇

ヴァルドロワールは、その競走馬としての栄光と共に、種牡馬としても数多くの名馬を生み出し、フランス競馬界に偉大な足跡を残しました。

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