ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ

ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ

ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ（The Vanguard Jazz Orchestra, VJO）は、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジに位置する名門ジャズクラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードを本拠地として活動するビッグバンドです。1990年にその名で発足しましたが、そのルーツは1960年代に遡ります。

歴史

VJOの歴史は、1966年にサド・ジョーンズとメル・ルイスによって結成されたサド・ジョーンズ/メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ、通称「サドメル」に端を発します。サドメルは、斬新なアレンジと高度な演奏技術で、瞬く間にジャズ界の注目を集めました。1966年2月からヴィレッジ・ヴァンガードで毎週月曜の夜に定期公演を開始し、これは45年以上続く名物となりました。

1978年、サド・ジョーンズが活動拠点をデンマークに移すと、バンドはメル・ルイス・ジャズ・オーケストラとして再出発します。メル・ルイスは、サド時代の音楽性を継承しつつ、ボブ・ブルックマイヤー、ボブ・ミンツァー、そして現在もVJOに在籍するジム・マクニーリーなど、新進気鋭のアレンジャーを積極的に起用し、バンドの音楽性をさらに発展させました。

1990年にメル・ルイスが亡くなると、バンドはヴァンガード・ジャズ・オーケストラとして新たなスタートを切ります。サドメル時代から受け継がれたレパートリーに加え、新たな楽曲も積極的に取り入れ、現代的なビッグバンド・サウンドを追求しています。レパートリーは300曲を超え、サド・ジョーンズ、ボブ・ブルックマイヤー、ジム・マクニーリーの楽曲を中心に、幅広い音楽性で観客を魅了し続けています。

長年、管楽器のセクションリーダーはほとんど変わっていませんでしたが、2000年代後半にトランペットセクションが大きく入れ替わりました。また、長年ベースを務めてきたデニス・アーウィンの死去など、20年以上のキャリアを持つメンバーの割合が減少しました。

教育活動

VJOは、演奏活動だけでなく、ジャズ教育にも熱心に取り組んでいます。ウィリアム・パターソン大学のパーマネント・レジデンシャル・オーケストラとして、またテンプル大学と提携して、定期的なクリニックなどの教育プログラムに参加しています。イタリアのアッシジや香港の吹奏楽フェスティバルなど、海外でのジャズ教育にも積極的に参加しています。独自のビッグバンド向け教育プログラム「Precepts of Swing」も開発し、2010年からは日本公演中に、日本向けにアレンジされた同プログラムを実施しています。

役職とメンバー

ジョン・モスカ - ディレクター
ディック・オーツ - アーティスティック・ディレクター
ダグラス・パーヴァイアンス - オーケストラ・マネージャー
ジム・マクニーリー - コンポーザー・イン・レジデンス
トーマス・ベリーノ - プロジェクト・ディレクター

メンバーは、トランペット、木管楽器、トロンボーン、リズムセクションで構成され、それぞれが高度な技術と豊かな音楽性を持っています。（詳細は原文を参照ください）

ディスコグラフィーと受賞歴

VJOは、サドメル時代から数多くのアルバムをリリースしており、その中にはグラミー賞を受賞した作品も含まれています。

AFIM賞: 『Thad Jones Legacy』（2000年）
グラミー賞 ベスト・インストゥルメンタル・アレンジメント賞: 『The Way - Music Of Slide Hampton 』（2004年）
グラミー賞 ベスト・ラージ・アンサンブル・アルバム賞: 『Monday Night At The Village Vanguard』（2009年）

(詳細は原文を参照ください)

日本での公演

VJOは、日本にも定期的に来日公演を行っており、ブルーノート東京やビルボードライブなどで熱い演奏を繰り広げています。

(詳細は原文を参照ください)

ヴァンガード・ジャズ・オーケストラは、その長い歴史と伝統を受け継ぎながら、常に新しい音楽に挑戦し続ける、現代ジャズ界を代表するビッグバンドです。

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