ヴィゴ・モーテンセン

ヴィゴ・モーテンセン：多彩な才能を持つ国際派俳優

ヴィゴ・モーテンセン（Viggo Mortensen, 本名: Viggo Peter Mortensen Jr., 1958年10月20日 - ）は、アメリカ・ニューヨーク州マンハッタン出身の俳優、詩人、写真家です。

生い立ちと幼少期

デンマーク人の父とアメリカ人の母のもと、ニューヨークで生まれたヴィゴは、幼少期をベネズエラやアルゼンチンで過ごしました。そのため、英語に加えてスペイン語、デンマーク語、フランス語、イタリア語など複数の言語を流暢に操ります。牧場での生活を通じて乗馬や狩猟を楽しみ、南米のカウボーイ「ガウチョ」に憧れていたそうです。一人遊びが好きで、絵を描くことに熱中する子供でした。

少年時代と青年時代

ブエノスアイレスの全寮制小学校に入学後、両親の離婚を機に、11歳でカナダ国境近くのニューヨーク州ウォータータウンに移住。激しいロック音楽に馴染めず、自信を失う時期もありましたが、中学・高校時代はスペイン語研究会、美術部、テニス部、水泳部で活躍。特に水泳部ではキャプテンを務めるなど文武両道ぶりを発揮しました。大学では政治学とスペイン文学を専攻。卒業時には、式典の礼装業者の不当労働に抗議するため、ただ一人角帽とガウンの着用を拒否したというエピソードも残っています。卒業後はヨーロッパを放浪し、映画館に入り浸る生活を送りました。

俳優への道

映画監督の作品に触発され、本格的に俳優を目指すようになったヴィゴは、ニューヨークで演技を学び始めます。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、1984年にはテレビドラマデビュー、翌年には映画デビューを飾ります。1987年には舞台『ベント』での演技が評価され、Drama-Logue Awardを受賞。1991年の映画『インディアン・ランナー』では、ベトナム帰還兵の弟役を演じ、注目を集めました。

『ロード・オブ・ザ・リング』での飛躍

2001年から2003年にかけて公開された『ロード・オブ・ザ・リング』三部作でアラゴルン役を演じ、世界的な名声を獲得。当初は別な俳優がキャスティングされていましたが、急遽代役として抜擢されたにも関わらず、見事に大役をこなし、その名を世界に轟かせました。この作品をきっかけに、映画監督デヴィッド・クローネンバーグとの出会いがあり、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』や『イースタン・プロミス』など、後の作品に繋がっていきます。

その他の活動と私生活

俳優業以外にも、詩人、写真家、出版社経営者としても活動しています。自ら設立した出版社「パーシヴァル・プレス」では、商業ベースには乗りにくい優れた作品を紹介しています。また、音楽活動も行っており、複数のアルバムをリリースしています。私生活では、1987年に結婚した元妻との間に息子が一人いますが、1998年に離婚。その後は、父子家庭を切り盛りしながら、俳優としてのキャリアを築いてきました。リベラルな政治的発言でも知られ、イラク戦争の反戦運動などにも積極的に参加しています。

主な出演作品

映画
『刑事ジョン・ブック 目撃者|刑事ジョン・ブック_目撃者』（1985年）
『インディアン・ランナー』（1991年）
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作（2001年 - 2003年）
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』（2005年）
『イースタン・プロミス』（2007年）
『はじまりへの旅』（2016年）
テレビドラマ
『マイアミバイス』(1987年)

ディスコグラフィー

アルバム
Don't Tell Me What to Do (1994年)
One Less Thing to Worry About (1997年)
Recent Forgeries (1998年)
The Other Parade (1999年)
その他多数

著作

詩集
Ten Last Night (1993年)
その他
1991 (1991年)
Recent Forgeries (1998年)
Signlanguage (2002年)
その他多数

受賞歴

英国インディペンデント映画賞 主演男優賞
サテライト賞 映画ドラマ部門 主演男優賞
* トロント[[映画批評家協会]]賞 主演男優賞

まとめ

ヴィゴ・モーテンセンは、俳優としての卓越した才能に加え、詩人、写真家、音楽家、出版者としての多才な顔を持つ人物です。国際的な視野とリベラルな思想を持ち、その生き方そのものが多くの人々に影響を与えています。彼の今後の活躍に、ますます目が離せません。

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