ヴィソコ

ヴィソコ：ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史と文化が交差する町

ヴィソコは、ボスニア・ヘルツェゴビナの中央に位置し、フォイニチカ川とボスナ川が合流する地点に開けた町です。首都サラエヴォとゼニツァを結ぶ幹線上に位置し、交通の要衝としても機能しています。人口は約1万7000人で、ゼニツァ＝ドボイ県に属する基礎自治体となっています。

多様な民族が暮らす町

1991年の国勢調査によると、ヴィソコ自治体には4万6130人が暮らしていました。その内訳は、ボシュニャク人が74.54%と多数を占め、セルビア人が15.99%、クロアチア人が4.28%、ユーゴスラビア人が3.16%、その他が2.04%となっています。民族構成からも、この地域が多様な文化を受け入れてきたことが伺えます。

ボスニア中央山脈に抱かれた自然

ヴィソコ市は、232平方キロメートルの面積を有し、ボスニア中央山脈の丘陵地帯に位置しています。標高400から1050メートルの山々に囲まれ、特徴的な谷が点在する地形は、豊かな自然を育んでいます。アドリア海沿岸へと続く鉄道や、サラエヴォ・ゼニツァを経由して北へ延びる道路が、ヴィソコと各地を結びつけています。

中世ボスニアの中心地

ヴィソコ周辺は、かつて中世ボスニアの中心地として栄えました。オスマン帝国時代には、アヤス＝ベグによって町が整備され、発展を遂げました。オーストリア・ハンガリー帝国によるボスニア併合後も、オスマン帝国の影響を受けたオリエンタル様式の建築物が残されており、歴史的な景観を今に伝えています。

紛争の傷跡と復興への道

ユーゴスラビア時代、ヴィソコは開発が十分に進みませんでした。第二次世界大戦では大きな被害を免れましたが、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では戦火に巻き込まれ、4年間ボスニア軍の支配下に置かれました。紛争によって経済的な打撃を受け、その傷跡は今も深く残っています。しかし、豊かな歴史と文化を持つヴィソコは、復興に向けて歩み続けています。

ヴィソコは、ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史と文化を体感できる魅力的な町です。紛争の傷跡を乗り越え、再び輝きを取り戻すことを願ってやみません。

ヴィソコ公式サイト

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