ヴィッキー・ゲレロ

ヴィッキー・ゲレロ：WWEとAEWの舞台を彩ったカリスマGM

ヴィッキー・ゲレロは、アメリカ合衆国のプロレス界で大きな足跡を残した人物です。夫である人気プロレスラー、エディ・ゲレロの死後、WWEに参入。2005年からWWEのリングに上がり、エディやレイ・ミステリオらとの確執、チャボ・ゲレロとミステリオの抗争といった数々のドラマに深く関わりました。

WWEでの彼女のキャリアは、ゼネラルマネージャー（GM）としての活躍が特に注目を集めました。2007年、セオドア・ロングの後任としてスマックダウンのGMに就任。当初は善玉として活動していましたが、エッジとの恋愛が明らかになると、ヒールターン。エッジを勝利へと導くため、あらゆる手段を用いるようになります。

GM在任中には、エッジ、チャボ・ゲレロ、カート・ホーキンス、ザック・ライダーらと「ラ・ファミリア」を結成し、多くの抗争を繰り広げました。ジ・アンダーテイカーからリング上で危険な技を食らうなど、過激な展開も経験しています。エッジとの結婚、そして浮気発覚による破局と復縁といった、私生活も絡めた複雑なストーリーが展開されました。

スマックダウンに女子王座がなかったことから、自らディーヴァズ王座を創設するなど、WWEの運営にも大きく貢献しました。2009年にはRAWのGM代行を務め、レッスルマニア25後には正式にRAWのGMに就任。ビッグ・ショーとの不倫や、サンティーノ・マレラとの抗争など、数々のドラマを演出しました。

しかし、GMとしての権力闘争は激しさを増していきます。エッジとの結婚は権力掌握のための策略だったと暴露され、離婚。その後も、様々なレスラーとの確執や恋愛劇、そして権力争いを繰り広げ、時には卑劣な手段も厭いませんでした。ジグラーとの関係、スワガーとの協力、そしてAJリーとの対立など、その手腕はWWEの運営に大きな影響を与えました。

マクマホン会長やHHH、ステファニー・マクマホンといったWWEの重鎮たちとの権力争いも激化し、2014年、泥んこマッチで敗北し、WWEを退団しました。WWE退団後は製薬会社に勤務するなど、リングを離れた生活を送っていましたが、2016年と2018年にはWWEに復帰。2019年にはAEWに登場するなど、プロレス界とのつながりを維持していました。2023年6月末にAEWを退団し、プロレス界から引退しました。

ヴィッキー・ゲレロは、WWE、そしてAEWにおいて、GMとしてだけでなく、レスラーや関係者との様々な人間関係、そして権力闘争を通じて、多くのドラマを生み出し、プロレス界に独特の存在感を示しました。そのヒールとしてのキャラクターと、WWEの舞台を揺るがすほどの影響力は、多くのプロレスファンに強い印象を残しています。

プライベートでは、エディ・ゲレロとの間に2人の娘をもうけています。GMとしての手腕だけでなく、プライベートでの葛藤や、プロレス界におけるキャリアを通して、ヴィッキー・ゲレロは、記憶に残るプロレス関係者として、その名を刻み込みました。彼女の「Excuse me!」という決めゼリフは、多くのファンに語り継がれるでしょう。

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