ヴィラ・ヴェーリャの戦い

ヴィラ・ヴェーリャの戦い：七年戦争における英葡連合軍の奇襲作戦

ヴィラ・ヴェーリャの戦いは、七年戦争中の1762年10月5日に、ジョン・バーゴインとチャールズ・リー率いるイギリス・ポルトガル連合軍が、スペインによるポルトガル侵攻で占領されていたポルトガル領のヴィラ・ヴェーリャ・ディ・ロダウンを奇襲し、再占領に成功した戦闘です。

戦いの背景

1762年8月、ジョン・バーゴインはスペインの補給基地であったバレンシア・デ・アルカンタラを占領しました。その後、彼はテージョ川を渡河してアレンテージョへ進軍しようとするスペイン軍を待ち構える態勢を取りました。この動きは、ポルトガル防衛における重要な戦略的布石となりました。

戦闘の経過

1762年10月3日、シャウムブルク＝リッペ伯ヴィルヘルムは、スペイン軍がポルトガル軍の本拠地アブランテスを攻撃するためにゼゼレ川を渡河すると予想しました。彼はジョージ・タウンゼンドに対し、ベイラ・バイシャ州へゼゼレ川左岸に沿って進軍し、ジョージ・レノックス卿と合流するよう命じました。さらに、ベルモンテとペナマコールに進軍し、アルメイダとシウダ・ロドリーゴのスペイン軍の連絡線を遮断するよう指示しました。この命令は迅速に実行され、合流を待つ間、タウンゼンド軍は隠密行動を取り、サブガルの近くでフランスの護衛隊を撃破して多くの補給を強奪しました。

スペイン軍は10月2日にヴィラ・ヴェーリャを占領しましたが、その翌日にはポルト・カブラウへ進軍し、ヴィラ・ヴェーリャの守備には擲弾兵200人と騎兵100人を残しました。バーゴイン将軍は当時テージョ川南岸の守備についていましたが、ヴィラ・ヴェーリャに少数のスペイン軍しか駐留していないことに気づき、チャールズ・リー中将に350人の分遣隊を率いてテージョ川を渡り、ヴィラ・ヴェーリャを攻撃するよう命じました。分遣隊は、ポルトガル人擲弾兵100人、第85歩兵連隊から200人、第16軽竜騎兵連隊から50人で構成されていました。渡河の際、ポルトガルの第2カスカイス歩兵連隊の兵士1人が、はしけが渡れるように先駆けとしてロープ1本で渡河を試み、結果的には渡河を成功させたものの、自身は落命し、この戦闘における唯一の死者となりました。

10月7日、リーの分遣隊は夜襲をかけ、スペイン軍を分散させて250人の損害を与え、大砲6門、砲兵用ラバ60頭を鹵獲しました。この成功の代償は、死者1人と負傷者10人という軽微なものでした。

戦いのその後

翌日、イギリスとポルトガルの増援が到着したことで、ヴィラ・ヴェーリャの占領は盤石となり、スペインによるポルトガル侵攻を実質的に終わらせました。10月中旬までに、フランス＝スペイン連合軍はリッペとタウンゼンドに追撃され、スペインへの撤退を決定しました。この慌ただしい撤退の際、スペイン軍は病気の者をポルトガルに残さざるを得ませんでしたが、彼らは10月24日には国境を越えてスペインへ帰還しました。その後も、オリベンサ、マルヴァオン（マルヴァオンの戦い）、オーゲルワで小競り合いが起きましたが、いずれも撃退されました。11月22日、アランダ伯爵がリッペと停戦を交渉したことで、七年戦争のポルトガル戦役は終結しました。

関連項目

七年戦争下のイギリス

参考文献

Jaques, Tony. Dictionary of Battles and Sieges. Greenwood Press, 2007
Kirby, Mike, The Portuguese Army - Seven Years' War, Seven Years' War Association Journal, Vol. XII No. 3
Pereira Sales, Ernesto Augusto; O Conde de Lippe em Portugal, Vila Nova de Famalicao: Publicacoes da Comissao de Historia Militar, 1936, pp. 55–62
McHugh, Don, and Mike Kirby, The Portugal Campaign 1762 - France and Spain Invade, Seven Years' War Association Journal Vol. XII No.
Howson, Gerald. Burgoyne of Saratoga, Times Press, 1979

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