ヴィリュイ川

ヴィリュイ川は、ロシアのシベリア北東部を流れる、レナ川の最大の支流です。全長2,650km、流域面積は45万4,000km²に及び、レナ川水系において最長の川として知られています。クラスノヤルスク地方のエコンダ付近に源を発し、東へ流れた後、サハ共和国に入り南東へと向きを変えます。

地形と流れ

ヴィリュイ川は、その源流付近で山間部を流れ、狭い渓谷を形成しています。途中、カメノ・ナブロスナヤダムによって堰き止められ、広大な人造湖であるヴィリュイ湖が形成されています。この人造湖は複雑な形状を持ち、いくつかの渓谷によって区切られています。ダムの下流では、山間部を東に流れ、スンタル付近で大きなカーブを描きながら、北へ向きを変えます。その後、中央ヤクート低地を東へと流れ、レナ川に合流します。スンタルより下流では、谷が広がり、マルハ川やチュング川などの支流を合わせながら、広大な氾濫原や湖沼地帯を形成しています。

経済と生活

ヴィリュイ川の流域には、チェリンシェフスキー、スンタル、ニュルバ、ヴェルフネヴィリュイスク、ヴィリュイスクなどの町や村が存在します。これらの地域では、チョウザメやサケ・マス類の漁業が盛んであり、また、合流点から上流1,210kmのチェリンシェフスキーまで航行可能です。ヴィリュイスカヤ水力発電所では水力発電が行われており、地域に電力を供給しています。

支流

ヴィリュイ川には多くの支流があり、右岸にはウラハン・ヴァヴァ、チルクオ、チョーナ、ウラハン・ボトゥオブヤなど、左岸にはアータランダ、イギャッタ、マルハ、チュキャン、チュングなどが流れ込んでいます。これらの支流もまた、流域の生態系に重要な役割を果たしています。

気候と氷

10月中旬には川が凍結し、5月中旬には氷が解けます。氷が解ける際には、急激な増水が発生し、氷混じりの水が流れ込むことがあります。これは、地域住民にとって注意すべき現象です。

豊富な資源

ヴィリュイ川の流域には、地下資源が非常に豊富に埋蔵されています。1950年代以降、ダイヤモンドの採掘が盛んに行われており、ミールヌイやウダーチヌイなどの鉱山が知られています。その他にも、鉄、天然ガス、褐炭、金などの資源も確認されています。また、ヴィリュイ川流域で発見されたベスブ石には、当初ヴィリュイ石という名前が付けられましたが、後にウィルアイトと改名され、独立種として承認されています。

ヴィリュイ川は、その広大な流域と豊かな資源によって、地域の経済と生態系に重要な影響を与えている川です。その流れは、山岳地帯から低地へと変化し、その過程で様々な地形と生態系を形成しています。

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