ヴィンセンス (ミサイル巡洋艦)

USS Vincennes (CG-49)について

USS Vincennes (CG-49)は、アメリカ海軍に所属するミサイル巡洋艦であり、タイコンデロガ級の3番目の艦艇です。この艦名は、アメリカ独立戦争中にインディアナ州の近くでおこなわれた「ヴィンセンスの戦い」に由来しており、歴史的な意味合いを持っています。また、ヴィンセンスの名を有する艦はこれまでに4隻存在しました。

艦歴の始まり

Vincennesは、1985年に太平洋艦隊に初めて配属されたタイコンデロガ級のミサイル巡洋艦でした。就役当初はパナマ運河を経由して太平洋艦隊に加わり、艦対空ミサイルであるSM-2MRブロックIIの試験や開発に携わりました。この艦は、その優れた技術と戦闘能力から、海軍において重要な役割を果たしました。

主な作戦と事件

1986年5月、Vincennesは大規模な合同演習「リムパック86」に参加し、国際的な訓練を通じてその実力をさらに高めました。しかし、艦生涯の中で最も悲劇的な事件は、1988年7月3日に発生しました。艦長ウィリアム・C・ロジャーズ三世の指揮の下、Vincennesはホルムズ海峡において、イラン航空655便のエアバスA300B2に対してSM-2ブロックIIの艦対空ミサイルを誤って2発発射しました。この攻撃により、同便に搭乗していた290名全員が命を落とすという衝撃的な結果を招いてしまいました。この出来事は国際的な波紋を呼び、軍事行動における誤認識のリスクを再認識させる契機となりました。

退役とその後

Vincennesは、2005年6月29日にサンディエゴにて退役しました。退役後、この艦はワシントン州ブレマートンに牽引され、船体はモスボール状態で保管されました。2010年7月9日には解体のために売却され、同年11月21日にテキサス州の国際艦船解体業者であるInternational Shipbreaking Ltd.に到着しました。そして、2011年11月23日に解体が完了し、長い艦歴に幕を閉じました。

まとめ

USS Vincennesは、その艦歴の中で数々の成果を上げる一方で、悲劇的な事件の当事者にもなりました。アメリカ海軍のミサイル巡洋艦としての重要性は高く、その存在は多くの人々の記憶に残ることでしょう。海軍艦艇としての役割を果たした後、Vincennesは歴史の一部として今も語り継がれています。

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