ヴェチティ・デルビ

ヴェチティ・デルビ：セルビアサッカーの光と影

ヴェチティ・デルビ（セルビア語: Вечити дерби, Večiti derbi）は、セルビアの首都ベオグラードを本拠地とする2つの名門サッカークラブ、レッドスター・ベオグラード（FKツルヴェナ・ズヴェズダ）とパルチザン・ベオグラード（FKパルティザン）の間で行われるダービーマッチです。このダービーは「エターナルダービー」とも呼ばれ、その激しさから「ヨーロッパで最も危険なダービーマッチ」と称されることもあります。ベオグラズキ・デルビ（Београдски дерби, Beogradski derbi、ベオグラードダービー）やスルプスキ・デルビ（Српски дерби, Srpski derbi、セルビアダービー）といった別名も持ちます。

概要

レッドスターは赤と白、パルチザンは黒と白をクラブカラーとしており、セルビア国内で絶大な人気を誇ります。2008年の調査では、セルビア国民の48.2％がレッドスターのサポーター（ズヴェズダシュ）、30.5％がパルチザンのサポーター（パルティザノヴァツ）であるというデータがあります。この2つのクラブは、モンテネグロやスルプスカ共和国でも最も人気のあるクラブであり、旧ユーゴスラビア諸国や西側諸国にも多くのセルビア人サポーターを抱えています。

しかし、近年では試合レベルの低下に加え、両クラブのウルトラス（熱狂的なサポーター集団）であるレッドスターのデリイェ・セヴェルとパルチザンのグロバリ・ユグによる度重なる暴力行為が問題視されています。これにより、試合の観客動員数は急激に減少しています。最多観客動員数は、1976年11月7日にスタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダで行われた第59回ヴェチティ・デルビの100,000人であり、最少観客動員数は2005年5月11日に同スタジアムで行われたセルビア・モンテネグロカップ準決勝の10,000人です。

過去の事件

ヴェチティ・デルビの歴史には、数々の悲劇的な事件も刻まれています。1999年10月30日にスタディオン・パルティザンで行われた第113回ヴェチティ・デルビでは、前半20分に南スタンドのグロバリが発射したロケット弾が、北スタンドにいた17歳のデリイェ、アレクサンダル・ラドヴィッチに直撃し、ラドヴィッチは即死するという痛ましい事件が発生しました。しかし、試合は中断されることなく続行されたため、両クラブとユーゴスラビアサッカー協会は一般社会から激しい批判を浴びました。また、2000年10月14日には、スタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダで行われた第115回ヴェチティ・デルビが、前半5分で中止となり、2001年3月7日に延期されるという事態も起きました。

ホームスタジアム

レッドスター・ベオグラード：スタディオン・ライコ・ミティッチ（通称：マラカナ）
パルチザン・ベオグラード：スタディオン・パルティザナ

近年の状況

近年は、両チームとも財政難やクラブ運営の問題を抱え、かつての輝きを失いつつあります。しかし、ヴェチティ・デルビは依然としてセルビアサッカー界における最大のイベントであり、両クラブのサポーターにとっては特別な意味を持つ試合です。暴力行為の根絶や健全なクラブ運営が求められる中、ヴェチティ・デルビが再び多くの観客を魅了するような、平和で熱狂的な試合となることを願うばかりです。

注記:

タイトル、統計、試合に関する情報は2024年、2025年の情報なので省略します。
外部リンクは省略します。

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