ヴェリカ・クラドゥシャ

ヴェリカ・クラドゥシャ：歴史と文化が交錯するボスニアの町

ヴェリカ・クラドゥシャは、ボスニア・ヘルツェゴビナの北西端、クロアチアとの国境近くに位置する町であり、同名の自治体の中心です。ウナ・サナ県に属し、近隣にはツァジンやビハチなどの町があります。

概要

ヴェリカ・クラドゥシャ自治体には、ヴェリカ・クラドゥシャの町を中心に、Bosanska Bojna、Brda、Bukovljeなど、多数の町村が含まれています。これらの地域は、豊かな自然と歴史的な背景を持ち合わせています。

歴史

アグロコメルツの隆盛と没落

ボスニア紛争以前、ヴェリカ・クラドゥシャはアグロコメルツという食品会社の本拠地でした。アグロコメルツは、フィクレト・アブディッチのリーダーシップの下で急速に成長し、ユーゴスラビア有数の大企業となりました。1987年には13,000人を雇用し、ヴェリカ・クラドゥシャをボスニア屈指の豊かな町に変貌させました。しかし、紛争の勃発とともにアグロコメルツは衰退し、その影響力は大きく失われました。

西ボスニア自治州

ボスニア紛争中、フィクレト・アブディッチは西ボスニア自治州を設立し、ヴェリカ・クラドゥシャをその首都としました。自治州はボスニア・ヘルツェゴビナ中央政府との間で激しい戦闘を繰り広げましたが、1995年に共和国軍によって制圧され、解体されました。紛争終結後、NATOのカナダ軍部隊がヴェリカ・クラドゥシャに基地を置き、平和維持活動を行いました。

人口構成

2005年時点で、ヴェリカ・クラドゥシャ自治体の住民のほぼ全てがボシュニャク人（ムスリム人）であると推定されています。1991年の調査では、町の人口の87%がムスリム人、5%がセルビア人、4%がクロアチア人でした。

政治

ヴェリカ・クラドゥシャは、紛争前から紛争中にかけてフィクレト・アブディッチの強い影響下にありました。現在でも、アブディッチの政党である民主人民共同体（DNZ）が地域政党として一定の影響力を持っています。

みどころ

ヴェリカ・クラドゥシャには、以下のような見どころがあります。

ヴェリカ・クラドゥシャ城: 中世の時代に築かれた歴史的な城。
バザール: 地元の特産品や食品が手に入る市場。
クライシュニク競技場: 地元のサッカークラブのホームスタジアム。
Mujo Hrnjica公園: 市民の憩いの場となっている公園。
マラ・クラドゥシャのプール: 夏には多くの人々で賑わうプール。

出身者

アネル・ハジッチ: サッカー選手。サッカーボスニア・ヘルツェゴビナ代表。

ヴェリカ・クラドゥシャは、ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史、文化、そして政治を色濃く反映した町です。その複雑な過去と豊かな自然は、訪れる人々を魅了し続けています。

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