ヴェルサイユ・サンルイ大聖堂

ヴェルサイユ・サンルイ大聖堂

ヴェルサイユ・サンルイ大聖堂（法名：サン・ルイ・ド・ヴェルサイユ）は、フランスのヴェルサイユ市に位置する重要な宗教的建造物である。この大聖堂は、ルイ15世の命を受けて建設され、1742年から1754年にかけて建造され、1797年に正式に大聖堂として奉納された。聖王ルイの聖遺物が安置されていることでも知られ、多くの訪問者を惹きつけている。

歴史的背景

この大聖堂の歴史は、ヴェルサイユ宮殿がルイ14世によって拡張される以前の時代に遡る。当時、ヴェルサイユには小さなサン・ジュリアン教会しか存在しなかった。1672年から73年にかけて、ルイ14世が新しい街としてのヴェルサイユを構想し、古い教会を取り壊して新しいノートルダム教会が建設された。

しかし、1682年に宮廷がヴェルサイユに移ると、さらなる信者の増加に応じて、より規模の大きな教会が必要とされ、それが現在のサンルイ大聖堂の建設に繋がった。1725年から27年には、ルイ15世によって、旧市街に新たな礼拝堂が造られ、この頃に大聖堂への基盤が整った。

建設の進行

1730年には、祝福を受けた礼拝堂が新たに設立され、サン・ルイ教区として独立した。その後、建築家ロベール・ド・コットが設計に取り掛かるも、財政上の問題で進展しなかった。彼の死後、彼の親戚であるジャック・アルドゥアン＝マンサール・ド・サゴンヌに設計が引き継がれ、1743年には建設が始まった。1754年には完成を迎え、同年の開堂式は王家の欠席の中で行われたが、翌日のミサには王族が参列した。

大聖堂の特徴

サンルイ大聖堂は、地階が新古典様式で装飾が控えめなドーリア式の柱と、上階にはコリント式の装飾が施された柱が特徴である。大聖堂のファサードは広々としており、ルイ15世への尊敬が感じられる。当初、教会は新古典主義的な外観が造り込まれたが、内部はロココ様式の屋根や装飾が施され、非常に豪華である。

また、左側には摂理礼拝堂が増築され、正面には聖母礼拝堂が存在し、これらはすべて訪れる人々に感銘を与える。大聖堂内には、名工ルイ＝アレクサンドル・クリコによって作られたオルガンも設置されており、これも圧巻である。オルガンは1759年にルイ15世の聖別を受け、その後多くの歴史的な行事にも使用されてきた。

革命と現在

1789年には、政治の変革が大聖堂に影響を及ぼし、三部会の宣言が行われた。その後、フランス革命では多くの聖職者が迫害され、教会も一時閉鎖を余儀なくされることとなったが、その後に再び活を取り戻した。

19世紀後半から21世紀に至るまで、多くの修復作業が行われ、聖母礼拝堂の改築や大聖堂の聖別式など、多くの歴史的なイベントが実施されている。2006年にはフランスの歴史的建造物に指定され、今でも多くの観光客や信者によって賑わっている。

終わりに

ヴェルサイユ・サンルイ大聖堂は、その美しい外観と豊かな歴史によって、フランスの文化と歴史の重要な一部であると言える。訪問することで、聖王ルイの伝説とフランスの絶え間ない変遷を感じることができるはずだ。

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