ヴェルミチェッリ

ヴェルミチェッリとは

ヴェルミチェッリ（イタリア語: Vermicelli）は、イタリア料理で使用されるパスタの一種です。この名前は、長い虫のような「ヴェルメ」（verme）に由来し、直訳すると「小さな虫」を意味します。断面の形状はスパゲッティと同様に丸い管状ですが、通常はスパゲッティよりもやや太めで、直径は約2.08mmから2.14mmの範囲に収まります。また、英語圏では「ヴァーミセリ」または「バーミセリ」と呼ばれ、スパゲッティよりも細い麺として言及されることが一般的です。

各国での定義

ヴェルミチェッリは、国によってその太さや形状に対する認識が異なります。特にアメリカ合衆国では、全米パスタ協会によってスパゲッティよりも細い麺として定義されています。これに対し、日本では2015年改正の食品表示基準において、太さ1.2ミリ未満のものをバーミセリーと表示しており、これはスパゲッティの太さに対して細いという位置づけです。イタリア国内では、通常、ヴェルミチェッリはスパゲッティよりも太いという認識が支配的です。

歴史的背景

ヴェルミチェッリの歴史は、14世紀のイタリアにさかのぼります。当時、地域ごとにさまざまな呼び名が存在し、ボローニャでは「orati」、ヴェネツィアでは「minutelli」と知られていました。レッジョ・エミリア出身の料理人、マンティーノ・ダ・コモによって書かれた『シチリアのマカロニとヴェルミチェッリの調理法』には、このパスタの調理法が記載されています。彼は当時のヴェルミチェッリが2年から3年かけて天日干しされることを強調しています。

現代の使用

現在、ヴェルミチェッリは様々な料理に使用されています。例えば、南アジアではデュラムセモリナ小麦粉から作られるセヴィヤンがあり、ウプマやキールといった料理に利用されます。東アジアでは米粉から作るビーフンや、小麦から作られる素麺、緑豆から作る春雨など、多様な麺があります。これらはすべて「バーミセリ」という名で呼ばれることがあります。

中南米ではフィデオと呼ばれる細麺がスープに使われ、エジプトではシェレヤと呼ばれる米粉の細麺があります。イランにもレシュテという細麺があり、スープやデザートに使用されています。さらに、イベリア半島ではアラブの影響を受けて細麺が広まり、現代のポルトガルやスペインではデザートやスープに使用されています。

結論

ヴェルミチェッリは、その形状や調理法、使用される国によってさまざまなバリエーションを持つ多才なパスタです。歴史的背景から現代の多様な用途まで、パスタに対する認識は国ごとに異なるものの、ヴェルミチェッリは国際的な食文化の中で重要な位置を占めています。

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