ヴェルヴェット・アンダーグラウンド (アルバム)

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドIII

『ヴェルヴェット・アンダーグラウンドIII』は、1969年にリリースされたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3枚目のスタジオアルバムです。本作は、ロックの歴史の中で重要な位置を占め、多くの評論家からも高く評価されています。特に『ローリング・ストーン』誌の「500 Greatest Albums of All Time」では143位に選ばれており、また、「NME 's 100 Best Albums Of All Time」でも21位を獲得しています。

このアルバムは、前作『ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート|ホワイト・ライト_ホワイト・ヒート』の発表後にジョン・ケイルがグループを去り、新たにダグ・ユールが参加して作られています。ダグ・ユールの加入により、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのサウンドに新しい風が吹き込まれました。

二つの異なるミックス

発売時に特に注目されるのが、アルバム内に存在する2つの異なるステレオ・ミックスです。一方はMGMレコードのエンジニア、ヴァル・ヴァレンティンによるミックスで、もう一方はルー・リード自身によるもので、後者は「クローゼット・ミックス」とも呼ばれています。この違いは、後者がより親密に聴こえるためです。また、収録曲の中でも特に「サム・カインダ・ラブ」では、異なるテイクが使われている点が特徴的です。

代表的な楽曲

本アルバムには、「ペイル・ブルー・アイズ」や「アフター・アワーズ」、さらには「殺人ミステリー」といった印象的な曲が収録されています。「ペイル・ブルー・アイズ」は特に多くのアーティストにカバーされており、そのメロディーと歌詞の美しさが多くの人々を惹きつけています。「アフター・アワーズ」はモーリン・タッカーがリードボーカルを担当し、グループ全員が参加する「殺人ミステリー」も注目されています。

アートワークとリリース

また、アルバムのアートワークにも注目が集まります。アルバムの表裏ジャケットの写真は、アンディ・ウォーホルの「ファクトリー」に属していたビリー・ネームによって撮影されたものです。ウォーホル自身もヴェルヴェット・アンダーグラウンドと深いつながりを持っており、彼の影響がアルバムのビジュアルスタイルに色濃く反映されています。

2014年には「45周年記念盤 スーパー・デラックス・エディション」が発売され、当時の音楽ファンのみならず新たなリスナーにも再評価されるきっかけとなりました。

収録楽曲

アルバムには、以下の曲が収録されています：

サイド 1

• - キャンディ・セッズ (Candy Says) - 4:04
• - ホワット・ゴーズ・オン (What Goes On) - 4:55
• - サム・カインダ・ラブ (Some Kinda Love) - 4:03
• - ペイル・ブルー・アイズ (Pale Blue Eyes) - 5:41
• - ジーザス (Jesus) - 3:24

サイド 2

• - ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト (Beginning to See the Light) - 4:41
• - アイム・セット・フリー (I'm Set Free) - 4:08
• - ザッツ・ザ・ストーリー・オブ・マイ・ライフ (That's the Story of My Life) - 1:59
• - 殺人ミステリー (The Murder Mystery) - 8:55
• - アフター・アワーズ (After Hours) - 2:07

結論

『ヴェルヴェット・アンダーグラウンドIII』は多様なスタイルと感受性が融合した一枚であり、今日まで多くのファンに愛され続ける重要な作品です。このアルバムがもたらす影響は、後のアーティストたちにも大きな足跡を残しています。

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