ヴェンチュリ

ヴェンチュリ（Venturi）

ヴェンチュリは、モナコに本社を置く自動車メーカーで、1984年に設立されました。創業者であるクロード・ポワローとジェラール・ゴッドフロワは、フランス系のエンジニアとしてスポーツカーの製作を目指し、MVS（Manufacture de Voitures de Sport）としてスタートしました。ヴェンチュリは設立以来、高性能スポーツカーを開発し続け、1994年には「400GT」を世に送り出しましたが、2000年に経営難により倒産しました。

ヴェンチュリの運命は同年にモナコのギルド・パランカ・パストールによって買収され、再生が図られました。以降、同社は電気自動車（EV）の開発に特化していきました。2005年には、EVスポーツカーである「フェティッシュ」を発表し、高性能と環境配慮を両立させた新しい形の自動車造りに成功しました。

歴史

1984年の設立以降、ヴェンチュリは数々の名車を生み出してきました。1986年には初代ミッドシップスポーツカー「MVS・ヴェンチュリ」を発表。1990年代には、特に「400GT」が人気を博しました。2000年の倒産後の再起により、電動化へと舵を切ったことで、業界のトレンドに敏感に対応した企業となりました。

2010年6月にはオートバイメーカー、ヴォクサンを買収し、その技術とブランド力を統合することでより多角的な展開をすめました。現在では、革新と性能の象徴として知られています。

車種一覧

ヴェンチュリは、市販車として「MVS・ヴェンチュリ」、「ヴェンチュリ・アトランティック」、さらに「ヴェンチュリ・400GT」などを展開しました。レーシングカー部門では、「400 トロフィー」や「ヴェンチュリ・600LM」などが知られており、コンセプトカーとしては「フェティッシュ」や「Eclectic」など、先進的なデザインと技術が盛り込まれています。

日本での販売

ヴェンチュリは日本市場にも進出し、2000年ごろにはアトランティック商事が「アトランティーク」や「アトランティーク300」といった車両を輸入・販売しました。これらのモデルは豪華仕様と本格的なスポーツ性能が両立したデザインで、右ハンドル仕様も提供されました。また、『ベストモータリング』に登場するなど、当時の自動車ファンの間で評判を集めました。

レース活動

ヴェンチュリは、モータースポーツ界にも積極的に関わっていました。1992年にはF1ラルースチームを所有していたこともあり、鈴木亜久里や片山右京といった著名なドライバーが在籍しました。しかし、1シーズンで撤退。その後もヴェンチュリの競技部門は様々なワンメイクレースや「ル・マン24時間レース」に積極的に参加してきました。

フォーミュラEの参戦

ヴェンチュリは、2014年から新たに設立されたフォーミュラEに参戦し、レオナルド・ディカプリオといった名士とコラボレーションを果たしました。2015-2016年シーズンからは独自のパワートレインを開発し、2020年からはメルセデスAMG・HPP製のパワートレインも使用しています。2022年にはマセラティと提携し、マセラティ・MSG・レーシングとしての新たな一歩を踏み出しました。

このように、ヴェンチュリは創立から30年以上にわたり、革新的な技術と独自のデザイン哲学で、自動車業界における影響力を保持しています。特に、エコカーとしてのEVモデルの促進は、持続可能な未来に向けた大きな貢献として評価されています。

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