ヴォイヴォディナ社会主義自治州

ヴォイヴォディナ社会主義自治州：多民族共存の地

ヴォイヴォディナ社会主義自治州（Социјалистичка Аутономна Покрајина Војводина / Socijalistička Autonomna Pokrajina Vojvodina）は、かつてユーゴスラビア社会主義連邦共和国に存在した自治州です。セルビア共和国の一部であり、1963年から1990年までその名を知られていました。州都はノヴィ・サドでした。

歴史

1945年、ヴォイヴォディナ自治州として設立されましたが、当初は限定的な自治権しか認められていませんでした。1963年に「ヴォイヴォディナ社会主義自治州」と改称され、その地位を高めます。1974年のユーゴスラビア憲法改正は、ヴォイヴォディナに大きな転換点をもたらしました。連邦構成体として認められ、セルビアや他の共和国とほぼ同等の地位を得たのです。ユーゴスラビアの大統領評議会では、連邦構成体の代表がそれぞれ1議席を持つことになり、ヴォイヴォディナもその一員として参加しました。

しかし、1990年9月28日、セルビアの大統領スロボダン・ミロシェヴィッチによって、ヴォイヴォディナとコソボ社会主義自治州は1974年に与えられた自治権を剥奪されます。同時に、「ヴォイヴォディナ自治州」へと名称が変更され、その影響力をそがれることとなりました。

人口構成

1981年の国勢調査では、ヴォイヴォディナ自治州の人口構成は以下の通りでした。

セルビア人: 1,154,664 (56.5%)
マジャル人: 385,356 (18.9%)
クロアチア人: 119,157 (5.9%)
スロバキア人: 69,549 (3.4%)
ルーマニア人: 47,289 (2.3%)
ルテニア人 および ウクライナ人: 24,306 (1.2%)
その他: 238,436 (11.8%)

このデータから、ヴォイヴォディナが多様な民族が共存する地域であったことがわかります。

政治

ヴォイヴォディナ社会主義自治州における唯一の政党は、ユーゴスラビア共産主義者同盟の下部組織であるヴォイヴォディナ共産主義者同盟でした。州の憲法は、州における最高の法規として機能していました。

関連文献

Dragomir Jankov, Vojvodina - propadanje jednog regiona, Novi Sad, 2004.
Dimitrije Boarov, Politička istorija Vojvodine, Novi Sad, 2001.
Stefan Grubač, Srbija - severno krilo, Novi Sad, 1990.
Autonomija Vojvodine - izabrani spisi, Politička teorija i praksa - knjiga 4, Centar PK SKV za političke studije i marksističko obrazovanje, Novi Sad, 1976.

関連項目

セルビア
セルビアの歴史
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国

ヴォイヴォディナ社会主義自治州は、ユーゴスラビアの歴史において、自治と多民族共存の象徴的な存在でした。その盛衰は、ユーゴスラビアの解体という激動の時代を映し出しています。

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