ヴォスパー・ソーニクロフト・フリゲート

ヴォスパー社の輸出用フリゲートとコルベット

ヴォスパー社（Vosper & Company）は、1960年代においてイギリスの艦船建造業界で重要な役割を果たし、特に開発途上国への艦船輸出を目指していました。政府の後援を受けて、彼らは新たな設計と構造の艦船を開発するため、ヴィッカース社と協力しました。これにより、さまざまなタイプの艦船が誕生しました。

Mk.1

最初のモデルであるMk.1は、全長175フィート（約53メートル）のコルベットでした。このコルベットは、モジュール設計を採用しており、利用する目的に応じて、汎用型、魚雷艇型、練習艦型、哨戒艦型の選択肢が提示されました。このような柔軟性は、需要に応じた各国の海軍にとって非常に魅力的でした。ここでは、ガーナ海軍のクロマンツェ級や、リビア海軍のトブルクなど、さまざまな国での採用例があります。

Mk.2

Mk.2はMk.1を基にした改良モデルで、同じく175フィートのサイズですが、より洗練された設計が施されています。1962年にはこのモデルがカナダ海軍に提案されましたが、取引には至りませんでした。

Mk.3

Mk.3はMk.1およびMk.2よりも大型化され、全長202フィート（約62メートル）となりました。このコルベットは、ナイジェリア海軍で採用されたドリナ級に代表されるように、強力な海上戦力として活用されています。

Mk.5

新たに設計されたMk.5は、ガスタービンエンジンを搭載した高速フリゲートで、イラン帝国のサーム級として知られています。Mk.5はその優れた性能により、海軍の運用において大いに貢献しました。

Mk.7

Mk.5と同系のMk.7は、少し大型化した設計になっており、リビア海軍のダット・アサワリがその一例です。このモデルもまた、バランスの取れた性能が評価されています。

Mk.9とMk.10

Mk.9はMk.3よりもわずかにサイズが大きく、ナイジェリア海軍のエリンミ級コルベットとして運用されています。さらにMk.10は、Mk.5とMk.7の系統を引き継ぎ、より大型化・装備強化が施されています。ブラジル海軍のニテロイ級がその例です。

イギリス海軍への影響

特にMk.5およびMk.7は、イギリス海軍が計画していたCVA-01級航空母艦の中止に伴い、汎用フリゲートの検討に影響を与えてきました。その結果、これらに基づく21型フリゲートが建造されました。

第2世代の開発

さらに、ヴォスパー社は第2世代の艦船、ヴィジランス型（Vigilance class）を開発しました。この型はオマーン海軍のカヒル級コルベットとして採用され、国際競争力を持つ艦船として位置づけられました。

以上のように、ヴォスパー社が開発した輸出用フリゲートやコルベットは、さまざまな国の海軍に採用され、その設計と性能は今なお評価されています。彼らの艦船は、単に兵器としての役割を超えて、国際的な海上の安全保障の一翼を担う重要な存在となっています。

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