ヴォルフガング・シュナイダーハン (軍人)

ヴォルフガング・シュナイダーハン（Wolfgang Schneiderhan）氏は、1946年7月26日に生まれたドイツの軍人です。2002年6月27日から2009年11月にかけて、ドイツ連邦軍の最高位である第14代連邦軍総監を務めました。戦後世代から初めて連邦軍総監に就任した人物としても知られています。

経歴

1966年4月、士官候補生としてドイツ連邦陸軍に入隊し、装甲部隊に配属されました。1968年10月に少尉に任官。その後昇進を重ね、1971年4月に中尉となりました。1972年から1974年まで、第10装甲師団で広報官を務め、1974年4月には大尉に昇任。1974年から1977年の間は、第293装甲大隊で中隊長として部隊を率いました。

軍事教育機関での学びも積んでおり、1977年から1979年にかけてはハンブルクにある連邦軍指揮幕僚大学で学びました（第20期）。この課程を修了後、1979年10月には少佐へ昇任。1981年まで参謀本部情報部で参事官を務めました。1981年には第55国土防衛大隊の大隊長に就任。1982年10月に中佐に昇任した後、1983年にはオランダの北大西洋条約機構（NATO）中欧軍司令部へ異動しました。

再びドイツ国内での任務に戻り、1986年には第553装甲大隊長を務めました。1988年から1990年までは、第4装甲師団で参謀長として勤務。この期間中の1989年には大佐に昇任しています。1990年にはベルギーのモンスにあるNATO司令部へ異動し、軍備管理部門に携わりました。1992年からは連邦軍大学で指揮幕僚課程陸軍科長を務めました。

ドイツ再統一後の重要な時期には、1994年にエアフルトの第39装甲旅団長に着任し、旧東ドイツ地域における軍務の統合・再編成といった事務にあたりました。1996年10月には准将に昇任。1997年から1999年にかけては、国防省部隊指揮幕僚監部で連邦軍計画部長を務めました。1999年4月には少将に昇任し、参謀本部国防政策・指揮幕僚部長に着任。2000年7月には中将に昇任し、再び国防省の計画部長のポストに就きました。

連邦軍総監として

2002年7月1日、ルドルフ・シャーピング国防大臣から第14代連邦軍総監に任命され、同時に大将へ昇任しました。これは、前任者のハラルド・クヤート氏がNATO軍事委員会議長へ転出したことによるものです。奇しくもクヤート氏は、シュナイダーハン氏の国防省計画部長の前任者でもありました。

連邦軍総監としての在任中、ドイツ連邦軍の定年が二度にわたって延長されたことにより、シュナイダーハン氏の総監職在任期間は7年以上に及び、ドイツ連邦軍史上最も長くその最高位に留まった人物となりました。当初は定年の2010年7月31日まで総監の任期を務める予定でした。

しかし、ドイツ連邦軍がアフガニスタン駐留中に発生させた誤爆事件と、それに関してドイツ連邦議会への報告内容に不備があったとされる問題の責任を問われ、2009年12月に連邦軍総監を辞任し、早期に軍を退役することとなりました。

受章・栄典

その長年の功績に対し、国内外から数多くの栄典を授与されています。ドイツ国内からは、ドイツ連邦共和国功労勲章一等功労勲章やドイツ連邦軍名誉勲章金章などを受章。海外からは、アメリカ合衆国のレジオン・オブ・メリット勲章やフランスのレジオンドヌール勲章などを受けています。2009年4月には、当時のホルスト・ケーラー大統領よりドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字章が授与されました。

人物・家族

シュナイダーハン氏には、同名の著名なヴァイオリニストであるヴォルフガング・シュナイダーハン氏が叔父にあたります。本人はバーデン＝ヴュルテンベルク州のリートリンゲンで生まれ、同州のバート・ザウルガウで育ちました。1965年にアビトゥーア（大学入学資格試験）に合格しています。後に、もし軍人の道を選ばなかったら、故郷で国語か歴史の教師になりたかっただろうと回想しています。家族は家庭裁判所の裁判官である夫人と、三男二女に恵まれましたが、息子の一人は夭逝しています。

軍を退いた後も社会活動に携わっており、2017年4月からはドイツ戦争墓地維持国民同盟の総裁を務めています。

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