ヴォロシロフ (巡洋艦)

ヴォロシロフは、ソビエト連邦海軍のキーロフ級巡洋艦の一隻であり、その名はソ連の軍人・政治家であるクリメント・ヴォロシーロフに由来します。この巡洋艦は、1935年10月15日に起工され、1937年6月28日に進水しました。1939年12月から公試が開始され、1940年6月20日に竣工し、黒海艦隊に配備されました。


第二次世界大戦中、ヴォロシロフは数々の作戦に参加しました。1941年6月には、駆逐艦部隊によるコンスタンツァ襲撃作戦を支援しましたが、この作戦で嚮導駆逐艦「モスクワ」が沈没、「ハリコフ」が大きな損害を受けたため、黒海艦隊司令部はその後のヴォロシロフの行動を制限しました。同年9月19日には、セヴァストポリ近郊のドイツ軍に対して180mm砲弾148発を発射し、その後ノヴォロシースクへ移動しました。11月2日には、250kg爆弾2発が命中し、3番砲塔の弾薬庫などが浸水、さらに舵が20度で固定されるという大きな被害を受けました。巡洋艦「クラスニイ・カフカズ」に曳航されながらポティへ向かいましたが、途中で舵が回復し、自力で11月4日にポティに到着、1942年3月18日まで修理を受けました。


1942年4月2日、ヴォロシロフは嚮導駆逐艦「タシュケント」と共にフェオドシヤを砲撃しました。4月10日には爆撃による至近弾で損傷し、5月8日と11日にはタシュアルチン付近のドイツ軍を砲撃、11月29日にはフィドシニを砲撃しました。撤収中に機雷2発が近くで爆発し、再び損傷したため、12月10日から1943年1月30日まで修理が必要となりました。1943年1月31日には、ノヴォロシースク付近での砲撃支援任務を実施しました。


しかし、1943年10月に嚮導駆逐艦「ハリコフ」と駆逐艦「ベスポシャドヌイ」、「スポソブヌイ」が撃沈されると、スターリンの命令により出撃が禁止され、以降は戦闘に参加することはありませんでした。1945年7月には赤旗勲章が授与され、その功績が称えられました。


戦後、ヴォロシロフは新たな役割を与えられることになりました。1956年2月にミサイル実験艦としての改装が決定し、1959年8月には33型実験艦「OS-24」と改名されました。1961年12月31日に「OS-24」として再就役し、1963年10月11日から1965年12月1日まで再度改装を受け、33M型実験艦となりました。この改装後、スチリ型、オーサM型対空ミサイルの実験に用いられました。1972年10月6日には宿泊船「PKZ-19」として再編され、1973年3月2日に除籍されました。


ヴォロシロフは、その生涯を通じて、戦闘艦として、そして実験艦として、ソ連海軍に貢献し、その歴史に名を刻みました。

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