ヴードゥー (キング・ダイアモンドのアルバム)

キング・ダイアモンドの8作目のスタジオ・アルバム『ヴードゥー』は、1998年に発表されました。このアルバムは、1932年のルイジアナ州バトンルージュを舞台に、ヴードゥー教のカルト集団に恐怖を覚える夫婦、デヴィッドとサラ・ラファイエットを主人公としたコンセプト・アルバムです。

キング・ダイアモンド自身は、ヴードゥー教について人形やゾンビ程度の知識しかありませんでしたが、1997年に文献を読み込み、その精神性や不文律に感銘を受けたと語っています。呪いや様々な魅惑的な要素に触れ、深く興味を持ったそうです。

制作にあたっては、ドラマーのダーリン・アンソニーが交通事故により活動が困難になったため、ジョン・ルーク・ヘバートが新メンバーとして迎えられました。また、タイトル曲「ヴードゥー」には、パンテラのダイムバッグ・ダレルがゲスト参加し、楽曲に華を添えています。

アルバムは、フィンランドのアルバム・チャートで4週連続トップ40入りし、最高27位を記録しました。スウェーデンでは55位を記録しましたが、翌週にはチャート圏外となっています。

音楽評論家からの評価も分かれています。アンディ・ハインズは、AllMusicにおいて5点満点中2点を付け、「曲自体に意外性がない」としながらも、「1960年代のハマー・フィルム・プロダクションのホラー映画に匹敵する」と評しました。一方、ドム・ローソンは、キング・ダイアモンドの全キャリアにおけるアルバムランキングで本作を12位に挙げ、「1990年代のアルバムとして特に強力で、当時の音楽シーンのトレンドに逆らい、古き良き遺産を強化した」と評価しています。

収録曲は以下の通りです。

1. ルイジアナ・ダークネス - "Louisiana Darkness" – 1:44
2. "ロア"ハウス - ""LOA" House" (King Diamond, Andy LaRocque) – 5:33
3. ライフ・アフター・デス - "Life After Death" – 5:40
4. ヴードゥー - "Voodoo" – 4:34
5. シークレット - "A Secret" (K. Diamond, A. LaRocque) – 4:04
6. セイラム - "Salem" – 5:17
7. ワン・ダウン・トゥー・トゥ・ゴー - "One Down Two to Go" (K. Diamond, Chris Estes) – 3:45
8. センディング・オブ・デッド - "Sending of Dead" – 5:40
9. サラズ・ナイト - "Sarah's Night" – 3:22
10. エクソシスト - "The Exorcist" (K. Diamond, A. LaRocque) – 4:52
11. アンクリーン・スピリッツ - "Unclean Spirits" (K. Diamond, C. Estes) – 1:49
12. クロス・オブ・バロン・サムディ - "Cross of Baron Samedi" – 4:29
13. イフ・ゼイ・オンリー・ニュー - "If They Only Knew" – 0:32
14. アフターマス - "Aftermath" – 1:39

アルバムには、キング・ダイアモンド（ボーカル、キーボード等）、アンディ・ラ・ロック（ギター、キーボード）、ハーブ・シモンセン（ギター）、クリス・エステス（ベース、キーボード）、ジョン・ルーク・ヘバート（ドラムス）といったミュージシャンが参加しています。また、ダイムバッグ・ダレルが「ヴードゥー」でギターソロを披露しています。

『ヴードゥー』は、キング・ダイアモンドの音楽性と世界観が融合した作品として、ファンに長く愛されています。

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