一乗寺駅

一乗寺駅（いちじょうじえき）

京都市左京区一乗寺里ノ西町に位置する、叡山電鉄叡山本線の駅です。駅番号はE04が割り振られています。

歴史

駅名の由来は、その所在地である「一乗寺」という地名から取られています。この地名の起源は、平安時代中期から中世にかけてこの地域に存在したとされる同名のお寺にあるとされていますが、その正確な場所は現在も明らかになっていません。

駅としての歴史は、1925年（大正14年）9月27日に、当時京都電燈が運営していた叡山電鉄平坦線の駅として営業を開始したことに始まります。その後、具体的な時期は不明ですが、現在の出町柳駅寄りにおよそ100メートルほど位置が変更されています。運営会社については、1942年（昭和17年）3月2日に京都電燈の鉄軌道事業が京福電気鉄道に引き継がれ、京福電気鉄道叡山本線の駅となりました。さらに、1986年（昭和61年）4月1日には、京福電気鉄道から叡山本線が新たに設立された叡山電鉄へ譲渡され、現在に至っています。

駅構造

一乗寺駅は、線路を挟んで向かい合う形の相対式ホーム2面2線の構造を持つ駅です。通常は駅員が配置されない無人駅として運営されています。しかし、平日の朝の通勤・通学時間帯や、観光客などで利用者が多くなる土曜日・休日には係員が配置されます。このため、出町柳駅方面行きのホーム出入口には、係員配置時に使用する改札口のような柵が設けられています。乗車券の購入については、出町柳駅方面行きのホームにのみ券売機が設置されており、利用可能な時間帯が決まっています（平日7時30分～20時30分、土休日8時～20時30分）。

駅への入口は、両ホームともに出町柳駅側にあり、地域の大通りである曼殊院道に面した踏切からアクセスする形になります。ホームの上屋（屋根）は、八瀬比叡山口駅・鞍馬駅方面行きのホームではほぼ全体を覆っていますが、出町柳駅方面行きホームでは車両約1両分ほどの長さにとどまっており、ワンマン運転時の乗降口をカバーするようになっています。

なお、上下線ともに駅のバリアフリー化は進んでいません。ホームへの移動は階段のみとなるため、車椅子をご利用の方などが利用される際には、安全確保のために介助者の方の協力が必要となります。

のりばについて、駅の案内上、特定ののりば番号は割り当てられていません。

駅周辺

駅は曼殊院道に沿って位置しており、周辺は古くからの商店街が広がっています。駅が開業した当時から様々なお店が並んでいましたが、戦後には市場が開設されるなど商業が発展し、曼殊院通にはバス路線も開通しました。特に1960年代頃には、駅の西側エリアが都市の中心部以外では珍しかった映画館やパチンコ店なども擁する、活気あふれる商店街・歓楽街として栄えました。しかし、1980年代頃からはその勢いにも陰りが見え始め、映画館なども閉館しましたが、現在も商店街としての雰囲気は残しています。京都大学や京都工芸繊維大学といった多くの大学が近くにあることから、近年は大学生を主な顧客とする飲食店や店舗も目立つようになりました。

この一乗寺エリアは、特に駅の西側を南北に走る東大路通沿いに数多くの京都ラーメン専門店が集積していることで知られており、「ラーメンストリート」「ラーメン街道」「ラーメン銀座」といった通称で親しまれています。国内外から多くのラーメンファンが訪れる、京都でも有数のラーメン激戦区となっています。

また、周辺には歴史的な観光名所も点在しています。詩仙堂や、宮本武蔵と吉岡一門の決闘の地とされる一乗寺下り松なども駅からのアクセス圏内にあり、観光目的で利用する人も少なくありません。

バス路線

一乗寺駅には直接バス路線は乗り入れていませんが、駅の近くに京都市営バスの停留所が複数あります。主な停留所と系統は以下の通りです。

一乗寺下り松町：白川通沿いにあり、5号系統や北8号系統が停車します。
一乗寺高槻町：東大路通沿いにあり、31号系統が停車します。

その他

叡山電鉄の普通運賃は区間制が採用されていますが、かつて商店街利用者の利便性を考慮し、当駅と三宅八幡駅の間を1区間として運賃計算していた時期もありました。

隣の駅

叡山電鉄 叡山本線における当駅の隣の駅は以下の通りです。

茶山・京都芸術大学駅 (E03) - 一乗寺駅 (E04) - 修学院駅 (E05)

※括弧内のE##は駅番号です。

関連項目

日本の鉄道駅一覧

外部リンク

一乗寺駅 - 叡山電鉄 公式サイト

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