一切宗

一切宗（いっさいしゅう）

一切宗は、真言宗系の新宗教であり、創始者である馬場覚心が長崎での修行を経て設立しました。この教団は1953年に宗教法人として正式に認可され、以降独自の教義を発展させています。宗教法人としての一切宗は、不動明王、釈迦牟尼佛、阿弥陀如来を本尊としており、これらの仏を通じて信者は教えを学びます。

創始者と後継者

馬場覚心は、長崎での大工仕事をしていたが、私生活において悲劇を経験しました。彼は妻と5人の子供を相次いで失い、これによって心に深い苦悩を抱えることとなります。彼は長崎の山中で修行を始め、そこで釈迦如来からの夢の啓示を受けたとされています。この経験が彼を宗教の道へと導きました。

覚心が設立した一切宗は、彼の死後、息子の馬場一心に引き継がれ、現在も運営されています。

所在地

一切宗の本拠地は山口県下関市にある大王寺という寺院で、ここから教えが広がっています。この場所では、教義に基づいた滝行や念仏行などの修行が行われ、信者が仏の真理を体験し、精神的な成長を図る場として重要視されています。

教義と実践

一切宗では、孝養、十善業、四恩といった倫理的な教えを重視しています。特に、滝行や念仏行は、浄化と悟りを得るための実践として強調され、信者はこれらの行を通じて日々の生活に仏教の教えを取り入れています。教団は、仏告の獲得を重要視しており、衆生の救済が最終的な目標として掲げられています。

沿革

一切宗の歴史は、大正時代の1927年に始まります。覚心は大工業を辞め、下関の四王司山での新たな開山を決意しました。1928年には堂宇を建立し、次の年には高野山大師教会を設立するなど、積極的に教団の基盤を整えていきました。その後、彼は中国や南方仏教の寺院を巡り、様々な修行を重ねた結果、1932年に帰国しました。この帰国後、彼は教団のさらなる発展に尽力し、山内に260体の石仏や多くの堂宇を建立しました。

1941年には現在の本堂が完成し、1947年には宗教法人としての一切宗を公式に設立しました。馬場覚心は1962年にこの世を去りますが、その精神は後継者である馬場一心によって受け継がれ、教団は現在も信者を支えつつ発展を続けています。

関連項目

一切宗に関連する情報としては、中山身語正宗が挙げられます。これは馬場覚心が修行仲間だった木原覚恵が立ち上げた宗派で、当宗派との関係性を理解することで、一切宗の背景をより深く知ることができます。

以上が一切宗の概要およびその詳細な内容です。この宗教は、過去の悲しみを乗り越え、新たな希望を見出すための道筋として、多くの信者に支持されています。

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