中山身語正宗について
中山身語正宗(なかやましんごしょうしゅう)は、日本の
佐賀県三養基郡基山町に本部を構える
真言宗系の新しい宗教団体です。この宗教は、木原覚恵を創始者とし、彼の教えから分派した異なる教団が存在することから、非常に興味深い歴史を持っています。その中でも、身言正宗や光明念佛身語聖宗などは、同じ根源から発展した団体です。
指導者と所在地
中山身語正宗の大本山は、瀧光徳寺に位置しており、所在地は
佐賀県三養基郡基山町宮浦2200です。この場所は信者が集まり、教義に基づいた修行を行う重要な拠点となっています。
教義と実践
中山身語正宗の教えの中心には、宗祖覚恵上人が「根本大悲の親様」から授かったとされる「御座文」があります。この教団の信者は、瀧行や巡礼、念佛などを修行し、「おじひ」(身に正しく如来の語)を得ることを目的としています。信者はこれを通じて、他の人々を救済する活動に努めているとされています。
また、第二世管長により制定された「おさづけ」は、信者の日常生活における行動規範を提供します。この教団では特に、先祖や水子の供養を重視する点が特徴的です。教団名に含まれる「身語正」は、身・口・意の三密が一体となることを表し、信者が如来の教えを正しく受けることを目的としています。信者が持つ信心の根本は「頼む一念」、すなわち仏に全てを任せることによって得られる安心です。
沿革
中山身語正宗は1912年に、木原覚恵によって立教されました。翌年、彼は高野山での修行を経て、1916年には八坂覚恵と改名します。1921年には、教団が和歌山県の瀧福寺を
佐賀県基山に移転させ、「高野山
真言宗 瀧光徳寺」と名称を変更しました。
この教団は、1933年に八坂覚照が初代管長に就任し、1938年には僧侶の育成を目的とした講習会を開始します。その後、1942年に八坂覚恵が亡くなり、1946年には八坂覚照が独立して「中山身語正宗」を設立しました。この教団は幾つかの支援活動も行っており、1981年にはアフリカ難民救済に500万円を寄付し、1988年にはさらに1000万円を寄付しています。
近年の出来事
2000年には世界宗教者平和会議(WCRP)に正式加入し、2006年には公式ウェブサイトを開設するなど、現代においても多様な活動を展開しています。しかし、2011年には非常に残念な事件が起こりました。当時、中学2年生の女子が除霊を目的とした「滝行」と称し、手足を縛られたまま顔に水を浴びせられ、窒息死するという悲劇的な事件が発生しました。
この事件は教団内外に大きな衝撃を与え、関与した僧侶は僧籍を抹消され、玉名教会は解散に至りました。また、教団の顧問はその行為が本来の教義に反するものであると明かし、滝行の手法についても誤解があったことを説明しています。中山身語正宗はこれを受けて、今後の活動において信者や社会への配慮を一層重視するでしょう。
結論
中山身語正宗は、歴史や教えに深い背景を持つ宗教団体ですが、近年の出来事を教訓にしつつ、信者の成長と社会貢献を目指して歩み続けています。