一宇村

一宇村の歴史と現状

一宇村（いちうそん）は、かつて徳島県美馬郡に存在していた村で、2005年3月1日に貞光町と半田町と合併し、つるぎ町となりました。村は昭和22年には人口が8,000人を超え、商店街や観光地が賑わっていましたが、2020年4月時点では人口が約700人にまで減少。地域の中には、人口が1人という十家集落など、過疎化が進む限界集落が多く存在し、特にこの場所は過疎地に指定されています。

地理

一宇村は徳島県の西部に位置し、その大部分は山林に覆われていました。村内を流れる主な川には貞光川、明谷川、片川があり、自然に恵まれた地域でした。村は美馬郡の半田町、貞光町、穴吹町、木屋平村および三好郡の東祖谷山村と隣接していました。

沿革

村の歴史は1889年10月1日に始まり、一宇口山村と一宇奥山村が合併して一宇村が設立されました。その後、2005年には半田町と貞光町との合併によってつるぎ町が誕生し、一宇村はその歴史の幕を下ろしました。

教育

かつて一宇村には教育機関が存在しました。徳島県立穴吹高等学校一宇分校は2005年に廃校となりました。また、一宇中学校（現つるぎ町立一宇中学校）は2010年4月より休校しており、一宇村立古見小学校も2015年4月に休校となりました。片川小学校は1997年4月からすでに休校に入っています。

交通

一宇村内には鉄道路線がなく、最寄りの鉄道駅はJR四国の徳島線・貞光駅です。交通網については、国道438号や徳島県道259号一宇古宮線などが整備されています。しかし、山に囲まれた地形の影響で交通アクセスには良くない面がありました。

特産品と名所

この地域では、田楽、アメゴ、柿、蕎麦米といった特産品が知られています。また、一宇峡、夫婦池、土釜、石堂神社、巨樹の里、剣山スキー場、悲恋駒止桜など、多様な名所や旧跡も点在していて、観光スポットにも恵まれていました。特に剣山スキー場は以前、冬のレジャーとして人気がありました。

出身人物

一宇村からは著名な書家の都郷鐸堂氏が出ています。地域内には、十家集落と呼ばれる場所があり、これにアクセスするためには「モノラック」という特殊なモノレールに約40分揺られる必要がありました。この集落は、テレビ朝日系の番組や新聞の寄稿でも取り上げられるなど、注目を集めました。

まとめ

一宇村は、かつて栄えた歴史を持ちながら、現在は人口減少や過疎化という厳しい現実に直面しています。地域社会はその魅力や自然環境を大切にしつつ、継続的な発展に向けた道を探っています。

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