一戸務

一戸務

一戸務（いちのへ つとむ、1904年8月19日 - 1977年）は、昭和期に活躍した日本の作家、そして中国文学の研究者です。

生涯

東京に生まれ、東京帝国大学（現在の東京大学）支那文学科を卒業しました。大学在学中から文芸活動に携わり、1929年には福田清人、那須辰造らと共に第10次『新思潮』に参加。その後、『文藝レビュー』にも参加し、小説を発表しました。

戦前は文部省に勤務。戦後は和洋女子大学の教授として教鞭を執りました。研究者としては、中国文学の研究に力を注ぐ傍ら、森鷗外の研究においても数々の業績を残しています。

作家として

一戸務は、小説家としても才能を発揮しました。初期には、『新思潮』や『文藝レビュー』といった文芸雑誌に作品を発表し、その作風は当時の文学思潮を反映したものでした。

中国文学研究者として

一戸務は、中国文学研究者として、中国の文化や芸術に関する研究を行いました。特に、中国の伝説や文化に関する造詣が深く、一般向けの啓蒙書も執筆しました。周作人の『苦茶随筆』の翻訳も手がけています。

著書

竹藪の家 小説 (ボン書店, 1935)
現代支那の文化と芸術 (松山房, 1939)
南山の雛 支那伝説集 (光風館, 1942)
支那の発見 (光風館, 1942)

翻訳

苦茶随筆 周作人 (名取書店, 1940)


一戸務は、作家、中国文学者として、日本の文学・文化に貢献しました。その業績は、今日においても高く評価されています。

参考

文藝年鑑1955

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