一橋大学大学院社会学研究科・社会学部

一橋大学大学院社会学研究科・社会学部：人文社会科学の総合的研究拠点

一橋大学大学院社会学研究科と社会学部は、1949年に旧東京商科大学が改組された際に設立された、歴史ある教育研究機関です。社会学を基軸に、哲学、心理学、歴史学、地理学、教育学、法学、政治学、総合政策学、人類学など、人文科学・社会科学の広範な分野を網羅しています。単なる社会学部という枠を超え、社会科学全般を総合的に学ぶことができる、いわば事実上の社会科学部と言えるでしょう。

幅広い教育・研究活動

本研究科・学部は、人文社会科学の知の探求と人材育成に力を入れています。学士課程から修士課程までを5年で修了できる一貫教育プログラムを提供しており、学生は学部在学中から大学院レベルの研究に触れることができます。また、他学部講義の履修も可能で、多角的な視点と深い専門性を兼ね備えた人材育成を目指しています。

研究活動においては、科学研究費助成事業の採択率が高く、博士号授与数も多いなど、高い研究水準を誇っています。2007年には、フェアレイバー研究教育センター、ジェンダー社会科学研究センター、平和と和解の研究センター、市民社会研究教育センターなど、複数の研究センターが設置され、特定のテーマに特化した専門性の高い研究が行われています。平和と和解の研究センターは、2008年には米EMCコーポレーションから世界情報遺産保護プロジェクト賞を受賞するなど、国際的にも高く評価されています。

歴史と伝統

本研究科・学部は、旧制東京商科大学の「社会科学の総合大学」という理念を受け継いでいます。設立当初から、西洋史学者の上原専禄氏やマルクス経済学者の高島善哉氏など、著名な学者たちが教鞭をとり、質の高い教育を提供してきました。創設期には、社会学、教育学、人文の3部門から構成され、社会思想史、社会学、社会政策、政治学など、多様な科目が開講されました。学部生は、3分の1以上の単位を他学部科目の履修によって取得するなど、幅広い知識の習得を促すカリキュラムが組まれていました。

その後、1950年代以降、社会心理学、社会史、社会倫理学、教育社会学、社会地理学、社会人類学などの講座が順次開設され、研究分野はさらに拡大。大講座制の導入や、地球社会研究専攻など新たな専攻の設置など、時代に合わせて組織体制も進化してきました。

充実した研究環境

本研究科・学部は、充実した研究環境を提供しています。学部には、社会動態研究分野、社会文化研究分野、人間行動研究分野、人間・社会形成研究分野、総合政策研究分野、歴史社会研究分野など複数の研究分野が設置され、それぞれの分野で活発な研究活動が行われています。また、大学院には、総合社会科学専攻、地球社会研究専攻があり、高度な専門知識と研究能力を備えた人材育成に貢献しています。さらに、数多くの研究センターが設置され、最先端の研究設備や充実した情報資源が利用できます。

未来への貢献

一橋大学大学院社会学研究科・社会学部は、歴史と伝統に裏打ちされた高い教育・研究水準を維持し、社会科学分野の発展に貢献し続けています。多様な研究分野、充実した教育プログラム、そして活発な研究活動は、社会の課題解決に資する人材育成に繋がっており、今後も社会科学の未来を担う人材育成の中核を担っていくでしょう。

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