一色義清 (戦国時代)

一色義清：戦国時代の武将、守護大名

一色義清（いっしき よしきよ）は、戦国時代の武将であり、守護大名として歴史に名を刻んでいます。幼名は千松丸と称し、尾張国知多郡の一色氏の一族（一色義遠または一色政氏の子）として生まれました。

丹後国への入国と混乱の時代

永正9年（1512年）に丹後国に入国した義清ですが、一色義有との関係は明確ではありません。子、弟、あるいは従兄弟など、諸説あります。石川直経に擁立されたことから、「石川御取立の屋形」や「石川の御屋形様」と呼ばれました。義清が守護となった頃の丹後国は、若狭武田氏の介入や守護代延永氏の下克上などにより、国内は大きく混乱していました。

永正13年（1516年）から翌年にかけては、同族と思われる「三河より御昇」った一色九郎（成願寺の御屋形様）との間で争いが勃発します。義清は一色右馬頭清範の補佐を受け、加悦城主石川直経と共に戦い、一方の一色九郎は守護代延永春信と共に戦いを繰り広げました。戦況は激しく、加悦城が攻め落とされ、義清が一時期没落したこともあったと伝えられています（『東寺過去帳』）。

その後の動向と血脈

義清の動静が確認できるのは、永正16年（1519年）までです。義清以後、一色義貫流の血脈は途絶えてしまいます。しかし、彼の血は思わぬ形で後世に影響を与えています。

土岐頼芸、そして斎藤道三の側室となった深芳野は、義清の娘であるという説があります。ただし、詳細は不明です。もしこの説が正しければ、深芳野が生んだ斎藤義龍は一色左京大夫と称し、一色氏を名乗ったことになります。これは、義清の血が間接的に後世に受け継がれたことを示唆する興味深い事例です。

一色義清は、戦国時代の動乱期に丹後国で勢力を振るった武将であり、その生涯は謎に包まれています。しかし、彼の存在は、当時の社会情勢や人間関係を垣間見ることができる貴重な手がかりとなります。彼の血脈が途絶えた後も、その名前が歴史に刻まれたことは、彼が確かに生きた証と言えるでしょう。

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