丁酉

丁酉（ていゆう）とは？

丁酉（ていゆう）は、60種類の干支の組み合わせにおける34番目にあたります。一つ前の干支は丙申（ひのえさる）、次の干支は戊戌（つちのえいぬ）です。

陰陽五行説では、十干の『丁（てい）』は陰の火、十二支の『酉（とり）』は陰の金に分類されます。火は金を剋（か）するので、丁酉は相剋の関係にあるとされています。この相剋は、相反する要素が内包されていることを示唆しており、丁酉の年に起こる出来事や、丁酉という組み合わせが持つ象徴的な意味合いを考える上で重要な要素となります。

丁酉の年

西暦の年号を60で割った余りが37となる西暦の年が、丁酉の年となります。例えば、1597年（慶長2年）、1657年などです。

特に、1597年の丁酉の年は、豊臣秀吉による朝鮮出兵（文禄・慶長の役）の最中にあたり、朝鮮側では「丁酉再乱」と呼ばれ、激動の時代を象徴する年として記憶されています。この戦争は、朝鮮半島に大きな傷跡を残し、東アジアの情勢に大きな影響を与えました。

丁酉の月

丁酉の月は、西暦の下1桁が1または6の年の8月とされています。ただし、この表記はあくまで簡略化されたもので、旧暦の8月や、節月（白露から寒露の前日までの期間）を指す場合もあります。旧暦と新暦のずれ、そして節月の概念を理解することで、丁酉の月の持つ意味合いをより深く理解することができるでしょう。

丁酉の日

丁酉の日は、選日の一つとして知られています。選日とは、暦注に基づいて吉凶を判断するものであり、丁酉の日は天一天上の5日目に当たるとされています。天一天上は、天の恵みが地上に降り注ぐ吉日とされ、重要な儀式や行事を行うのに適した日とされています。

丁酉と命名

丁酉という干支の組み合わせは、人名や地名、寺院名などにも用いられてきました。例えば、天文6年（1537年）生まれの儒学者、景轍玄蘇（けいてつげんそ）が対馬に開いた寺院は、「丁酉」の文字を組み合わせた「酊（てい）」の字を用いて「以酊庵（いていあん）」と名付けられました。「酊」は酔っている様子を表す字であり、玄蘇の境涯を表していると考えられています。

まとめ

丁酉は、単なる干支の組み合わせではなく、歴史的出来事や文化、そして哲学的な意味合いを内包しています。陰陽五行説に基づいた解釈、歴史的背景、選日の概念などを理解することで、丁酉という干支が持つ奥深さを知ることができるでしょう。さらに、丁酉の年、月、日にまつわる出来事や、人々の生活にどのように影響を与えてきたかを調べることで、より具体的な理解を深めることができるはずです。

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