七つちがい (テレビドラマ)

『七つちがい』は、1971年9月25日から同年12月25日まで、日本テレビ系列の『土曜グランド劇場』枠で放送されたテレビドラマです。全14話が制作・放送されました。

この作品は、当時7歳という年齢差のある夫婦の姿を描いたホームドラマです。主演を務めたのは若尾文子と布施明。若尾文子が夫より7歳年上の妻、いわゆる「姉さん女房」を演じ、布施明がその夫役を務めました。

物語の中心となるのは、東京・浜町に古くから店を構える天ぷら屋「おがわ」の跡取り息子、小川幸助と、夫を亡くし独り身となった女性、ひで子です。幸助は23歳。実家の家業を継ぐことを好まず、家を出てインテリアデザイナーになることを目指し、その見習いとして働いています。一方、ひで子は30歳。突然夫に先立たれ、今後の生活に途方に暮れていました。そんな二人が出会い、やがて惹かれ合います。

二人は結婚を決意しますが、そこには大きな壁が立ちはだかります。一つは、二人の間に存在する7歳という年齢差。そしてもう一つは、幸助の母、糸からの激しい反対でした。糸は、ひで子の過去や年齢に難色を示し、二人の結婚に賛成しません。しかし、幸助とひで子は母の反対を押し切り、愛を貫いて結婚します。

結婚後、ひで子は小川家に入ります。しかし、家族からの歓迎は必ずしも温かいものではありませんでした。母の糸はもちろんのこと、小姑にあたる幸助の妹・良子や、店の板前であるヤスも、当初はひで子に好意を持っていませんでした。新しい環境と家族の中で、ひで子は懸命に生活を始めます。

ドラマが進むにつれて、小川家の状況に変化が訪れます。長年「おがわ」を切り盛りしてきた母・糸が、持病である神経痛の悪化により、店から身を引くことを決意します。これを受け、家業を継ぐことを嫌っていた幸助ではなく、嫁であるひで子が店を任されることになります。経験のないひで子が、老舗の看板を背負い、家族からの視線を感じながら奮闘する姿が描かれていきます。

主要なキャストとしては、主人公の小川ひで子を若尾文子、その夫・小川幸助を布施明が演じました。二人の結婚に反対する母・小川糸役には賀原夏子。小姑・小川良子役には四方正美。そして、天ぷら屋の板前・ヤス役には山田吾一が配されました。他にも、糸の娘で幸助の姉にあたる藤井悦子役に馬渕晴子、ひで子の亡き夫の友人である八条役に杉浦直樹、高畑役に井川比佐志、サブ役に岡本信人といった実力派俳優が出演し、物語を彩りました。

ゲスト出演者もおり、ひで子の亡き夫の兄を垂水悟郎（第7話）、大西を美川陽一郎（第8話）、悦子の夫である藤井を滝田裕介（第12話）、スナックの女・マユミを大信田礼子（第13話）、糸の義理の姉・とめを飯田蝶子（第13話）が演じています。

制作スタッフには、プロデューサーに早川恒夫、脚本には向田邦子と安倍徹郎、演出には高井牧人、小杉義夫、祖父江信太郎といった面々が名を連ねています。制作は日本テレビが担当しました。

『七つちがい』は、年齢差のある夫婦が直面する現実や、嫁姑・家族間の人間関係、そして新しい環境で自立しようとする女性の姿を丁寧に描いた作品と言えるでしょう。

もう一度検索