七つの海を渡る風のように

「七つの海を渡る風のように」：愛内里菜&三枝夕夏の代表作

愛内里菜と三枝夕夏による2枚目のコラボレーションシングル「七つの海を渡る風のように」は、2004年4月28日にリリースされ、数々の記録を打ち立てた作品として知られています。特に、劇場版アニメ『名探偵コナン 紺碧の棺』の主題歌に起用されたことは、この楽曲の知名度を大きく押し上げる大きな要因となりました。

前作に続くコラボレーションシングルということもあり、早くから高い期待が寄せられていました。アニメ『名探偵コナン』シリーズにおいて、前作の劇場版では江戸川コナン、服部平次、怪盗キッドといった男性キャラクターが中心に描かれていた一方、毛利蘭と鈴木園子の活躍は控えめでした。そこで、本作では蘭と園子が物語の中心となることを踏まえ、愛内里菜と三枝夕夏は共同で作詞を行い、女性目線で描かれた世界観を構築しました。

楽曲制作においては、前作で参加していたスパークリング☆ポイントは参加していませんが、代わりに、日本の音楽シーンにおいて大きな影響力を持つ小松未歩と、アニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマを担当した松橋未樹の楽曲がカバーされています。具体的には、小松未歩の代表作であり、『名探偵コナン』のエンディングテーマとして親しまれた「願い事ひとつだけ」と、松橋未樹によるオープニングテーマ「destiny」が、新たなアレンジで収録されています。「願い事ひとつだけ」に関しては、原曲よりもキーが低く設定され、より聴きやすいアレンジが施されています。

リリース後、本作はUSENリクエストチャートで上位に長期ランクインするなど、高い人気を博しました。初動売上は前作をやや下回ったものの、最高順位と累計売上においては前作を上回り、商業的な成功も収めました。初回盤と通常盤の2形態で発売され、価格はどちらも1,260円（税込）と設定されました。

このシングルは、三枝夕夏にとって初の『名探偵コナン』劇場版主題歌となり（愛内里菜は2度目）、三枝夕夏がボーカルとして参加したシングルの中では最大の売り上げを記録しました（三枝夕夏IN db名義では「君と約束した優しいあの場所まで」が最大ヒット曲です）。さらに、三枝夕夏IN dbのベストアルバム『三枝夕夏 IN d-best 〜Smile&Tears〜』には、三枝夕夏によるソロバージョンが収録され、楽曲の幅広い魅力を改めて提示することとなりました。

シングルには、以下の楽曲が収録されています。

七つの海を渡る風のように (作詞：愛内里菜&三枝夕夏、作曲：大野愛果、編曲：葉山たけし)
destiny -rearrange version- (作詞：麻越さとみ、作曲：間島和伸、編曲：大賀好修)
願い事ひとつだけ -rearrange version- (作詞・作曲：小松未歩、編曲：大賀好修)
七つの海を渡る風のように (RINA'S vocalless version) ※初回限定盤のみ
七つの海を渡る風のように (U-ka's vocalless version) ※初回限定盤のみ
七つの海を渡る風のように (Instrumental) ※通常盤のみ

「七つの海を渡る風のように」は、その後もコンピレーションアルバム『THE BEST OF DETECTIVE CONAN 3 〜名探偵コナン テーマ曲集3〜』や『劇場版 名探偵コナン 主題歌集 〜“20”All Songs〜』などに収録され、多くのファンに愛され続けている楽曲です。

もう一度検索