七北田川

七北田川の概要

七北田川（ななきたがわ）は、宮城県仙台市と多賀城市を流れる二級河川で、全長は40.9キロメートル、流域面積は229.1平方キロメートルです。この川の源流は泉ヶ岳であり、かつてはヒザ川と呼ばれていました。七北田川は、冠川、神降川、根白石川、岩切川、今市川といった様々な呼称があり、その中でも冠川という名は地元の学校で今も使われています。

名称の由来

冠川の名称は地名に由来しているのではなく、周辺には志波彦神社と関連する伝説があります。神が降臨したことから神降川と呼ばれたり、白馬が神の冠を落としたという話も伝わっています。また川が運ぶ土砂によって形状が冠のように見えることから名付けられたとも考えられています。

地理的特徴

七北田川は黒鼻山の南西に位置し、北側には泉ヶ岳があります。このエリアには長谷倉川やヒザ川といった支流も流れ、七北田ダムで合流します。中流域では河岸段丘が形成されており、水田が広がる風景が広がります。特に仙台市地下鉄南北線の八乙女駅付近には、いくつかの他の川が合流し、豊かな水環境を作り出しています。

下流域に入ると、宮城野区にある岩切駅付近から仙台平野に入り、多賀城市との境界を形成します。ここでは梅田川などの支流が合流し、最終的には仙台湾へと流れ込みます。また、この河口近辺には蒲生干潟が広がり、多種多様な渡り鳥が訪れる重要な生態系も保たれています。

歴史的背景

歴史を振り返ると、古代や中世には七北田川の流路が現在と異なり、砂押川とともに海へ注いでいましたが、江戸時代初期に流路が変更されました。そのため、現在の位置に河口が移りました。また江戸時代には、鮭の漁が重要視されており、地域住民の間で鮭留に関する争いもありました。

主な河川災害としては、1976年の洪水や2011年の津波による影響が記録されていますが、これらの事件は地域の流域管理や防災の重要性を再認識させるものでした。

水質と利水

七北田川の水質に関する調査では、2018年度のデータによれば上流の原山橋ではBOD（生物化学的酸素要求量）が0.5 mg/L以下と良好で、下流の高砂橋でも1.8 mg/Lでした。この水質基準は満たされていますが、最も水質が悪い地点は今市橋で2.5 mg/Lとされるものの、環境基準内です。

上流部の七北田ダムは、仙台市と塩竈市の上水道供給源として重要な役割を果たしています。ダムの存在により、地域の水資源管理が行われており、生活や農業に活用されています。

まとめ

七北田川は、その美しい自然と多様な生態系、豊かな歴史により、宮城県の重要な水系として多くの人々に親しまれています。この川は地域の生活に欠かせない存在であり、今後もその保全や活用が求められています。

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