七滝山

七滝山（ななたきやま）

秋田県仙北郡美郷町に位置する七滝山は、標高776mの山です。奥羽山脈の一部を形成し、その山容は木の葉のような形をしています。東西約2.6km、南北約1.5kmの広がりを持ち、豊かな自然に恵まれています。

地理と水源

七滝山は、雄物川水系丸子川の支流である七滝川の源流となっています。このため、山全体が七滝水源かん養保安林に指定されており、古くから水源として重要視されてきました。山からの清らかな水は、地域の人々の生活や農業を支える貴重な資源となっています。

歴史

七滝山の歴史は古く、1663年には藩の制札によって水源林としての保護が定められていました。当時から、立ち木はもちろん下草の伐採も禁じられており、水源を保護する意識の高さが伺えます。その後、1691年には山方家が領主より拝領し、所有することになりました。1800年には、近隣17の村が共同で山を購入し、各村の肝煎が管理するようになりました。

明治時代に入ると、地元農民によって水源組合が組織され、七滝水源林の管理が行われるようになりました。1897年には、森林法制定に伴い、秋田県で初めて水源かん養保安林の指定を受け、その重要性が改めて認識されました。

保全活動

近年では、2008年に美郷町が「美郷町水環境保全条例」を制定し、その一環として七滝山への植樹活動が始まりました。六郷東根小学校の児童たちがブナの苗木を植樹したことを皮切りに、翌年からは町内の小学4年生が森林学習や植樹を行う「七滝『水の森』植樹事業」が継続的に行われています。これらの活動を通して、次世代への自然保護の意識を高めています。

アクセスと登山

七滝山へは、岩手県道・秋田県道12号花巻大曲線や町道七滝・女神線（未舗装）などを利用してアクセスできます。また、七滝山登山道も整備されており、ハイキングや登山を楽しむことができます。山頂には四等三角点が設置されており、登山者にとっての目標となっています。

その他

七滝山には、七滝鳥獣保護区七滝特別保護地区が設定されており、野生生物の保護も行われています。かつては秋田県警察の無線電波塔が設置されていましたが、現在は撤去され、その跡地が残っています。また、全国的にも珍しく、土地改良区が水源林を所有し管理してきた山としても知られています。

まとめ

七滝山は、豊かな自然と歴史を持つ山です。水源林としての役割だけでなく、地域住民の憩いの場、自然学習の場としても活用されています。これからも、地域の人々によって大切に守られていくことでしょう。

参考文献

「水は語り清水はささやく―六郷町小史」六郷町史編纂委員会（編集）、六郷町（発行）、2004年10月1日。
「森と水　森林の水源かん養機能」地域の森づくり研究会（編集発行）

関連項目

美郷町

外部リンク

七滝山の魅力を紹介します（秋田県仙北郡美郷町公式ウェブサイト）

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