七重塔

七重塔とは

七重塔は、仏塔の一形式であり、層塔と呼ばれる楼閣形式の仏塔のうち、七重の屋根を持つものを指します。仏塔の意味や位置づけについては、五重塔の項を参照してください。

歴史

日本では、聖武天皇の勅命により各地に国分寺が設置された際に、寺院とともに七重塔の建設が進められました。そのため、武蔵国分寺、阿波国分寺、讃岐国分寺など各地の国分寺の遺構には、七重塔の基壇を含むものもあります。

東大寺においては、東塔、西塔の二本の七重塔が建設されました。平安時代には道鏡により由義寺（大阪府八尾市）に七重塔が、鎌倉時代には東大寺東塔の再建が、室町時代には足利義満により相国寺（京都市）に七重塔（高さ36丈（約109 m））が、また、金閣寺付近には北山大塔が建設されました。

しかし、これらの七重塔は、いずれも落雷や兵火により焼失しました。なお、金閣寺の北山大塔は義満の命令で焼失した相国寺の七重大塔を移転再建したもので、義満の死後に金閣寺の北山大塔が焼失すると、今度は足利義持の意向で相国寺の元の場所で七重大塔が再建されたという経緯があるため、両者は同じ塔と言えます。

現存する七重塔

近世までに建造された大型木造七重塔で現存するものは、日本にはありません。

東大寺七重塔の復元

日本万国博覧会の古河パビリオンは、東大寺七重塔を再現したものでした。このパビリオンは、博覧会終了後に取り壊されたのち、塔先端部の相輪だけが東大寺大仏殿の東側に移されています。

東大寺では、創建当初の伽藍復元に向けた整備基本構想があり、構成要素の一つである東塔の再現も視野に含まれています。実際に建設する可否や時期等は発掘調査が進んでから具体化される見込みです。

関連項目

高層建築物
仏塔
三重塔
宝塔（多宝塔）
宝篋印塔
相輪橖
五輪塔
パゴダ
* 宝珠

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