万葉線

万葉線の概要

万葉線（まんようせん）は、富山県の高岡市から射水市を結ぶ路面電車の全体を指す名称で、具体的には高岡軌道線と新湊港線の2つの路線から構成されています。全長は約12.9キロメートルで、路線にはそれぞれ特徴があります。高岡駅停留場から六渡寺駅を経て越ノ潟駅に至るまで、両路線は一体的に運行されています。

路線の構成

万葉線は高岡軌道線（高岡駅停留場 - 六渡寺駅間の8.0 km）と新湊港線（越ノ潟駅 - 六渡寺駅間の4.9 km）で構成され、両路線とも路面電車スタイルの小型電車が使用されています。高岡軌道線の米島口停留場から能町口停留場間は専用軌道になっており、自動閉塞式の閉塞方式が採用されています。最高速度は40 km/hで、全線が直流600Vで電化されています。

歴史的背景

万葉線の歴史は長く、1930年代にさかのぼります。新湊港線の起源は越中鉄道にあり、最初は西越ノ潟駅から新湊東口駅間が開業しました。その後も新たな区間が次々と開通し、1948年には高岡軌道線にあたる地鉄高岡 - 伏木港間が開業しました。この路線は、1950年代から60年代にかけてのモータリゼーションにより乗客が減少しましたが、2001年に万葉線株式会社が設立され存続が図られることになりました。

技術的特徴と運行

万葉線は自動閉塞式の運行方式を採用し、全体の駅数は25駅（高岡駅停留場と越ノ潟駅を含む）です。米島口駅の近くには万葉線の本社および車庫が設置されています。また、越ノ潟駅からは富山県営渡船が利用できるため、港口アクセスも兼ね備えています。

未来の展望

万葉線は、その歴史と技術的な背景を持ちながら、今後の発展が期待されています。特に高岡市の高校3校が連名で提出した延伸要望は、地域の交通改善の一環として注目を集めています。この延伸が実現すれば、学生だけでなく地域住民や観光客にとっても利便性が高まり、中心市街地の活性化にも寄与するでしょう。

付随するイベント

万葉線は地域の文化や行事とも深く結びついています。たとえば、毎年5月1日に開催される御車山祭では、巡行のために架線が一時撤去されるなど、地元の人々にとって特別な存在です。また、夏の高岡七夕まつりでは運行が休止されるため、地域のイベントに応じた柔軟な運行形態が特徴的です。

万葉線は多様な歴史的背景を持ち、地域住民の生活や交通に欠かせない存在であることがわかります。今後の発展が期待される路線であり、地域経済や観光に与える影響も注視されるでしょう。

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