三ツ村鐵治

三ツ村 鐵治（みつむら かねはる）

三ツ村鐵治は1945年生まれの愛知県出身の元演出家で、特に特撮テレビドラマでの活躍が著しい人物です。彼は1968年に日本大学藝術学部を卒業後、東映テレビプロダクションに入社し、以来テレビ映画の助監督としての道を歩み始めました。この時期には、「三村道治」という名前でスタッフクレジットに表記されていました。彼が関わった作品には、『非情のライセンス』や『特別機動捜査隊』、『特捜最前線』などの一般ドラマ、および『電子戦隊デンジマン』や『太陽戦隊サンバルカン』などのキャラクターものが含まれます。

1985年に彼は『特捜最前線』で監督デビューを果たしましたが、この作品では誠直也の指名による吉野刑事の殉職編の演出を担当しました。その後も『特捜最前線』は彼の代表作となり、シリーズ終了まで監督を続けました。

1987年からは、吉川進プロデューサーからの招待で『超人機メタルダー』を始めとするメタルヒーローシリーズでの監督としての名声を確立し、特に『世界忍者戦ジライヤ』では初のメイン監督を務めました。この作品では、多くの信頼を得ており、特に真面目さが評価されました。また、日笠淳プロデューサーと結んだ縁により、『美少女仮面ポワトリン』などの不思議コメディシリーズも手がけました。

1997年には、『ビーファイターカブト』の45話を最後に東映テレビプロから離脱し、その後、宮下隼一の紹介でフラグシップに加わり、ゲームシナリオムービーの演出に携わるようになりました。しかし、その後の活動で演出業からは引退し、故郷の愛知県に戻った生活を送っています。

エピソード

三ツ村の監督昇進は40歳手前のことでしたが、若い頃に『燃えろアタック』でデビューの打診を受けたものの、自身が消極的だったため、結局その話は立ち消えになりました。監督昇進時に藤井邦夫をシナリオに指名し、結果として彼との共作に乗り出すことになりましたが、役者の怪我の影響からある尾行シーンがうまく撮れず、叱責を受けたこともあったと言います。

また、『特捜最前線』の最後の収録時には、大滝秀治から腕時計をプレゼントされる等、温かい人間関係が築かれていたことも説明されています。彼自身のファッションが黒っぽいことから、「ダーク三ツ村」と呼ばれることもあり、演出者としての厳しさは役者の間でも知られていました。

さらに、メタルヒーローシリーズでは『超人機メタルダー』から『ビーファイターカブト』までの10作品に監督として関与し、累計監督本数141本という記録を持つなど、その功績は大きいです。また、シリーズ中の演出には、特に子供たちへの気配りを重要視し、舞台やキャラクターが持つ意味をしっかりと伝えようとした姿勢が伝わります。特に『特救指令ソルブレイン』では、キャラクターが子供を助ける際に、その子供が持つ人形も救うシーンを意識するなどの配慮が見受けられました。

最後に、三ツ村はその活躍の場をゲーム業界にも広げ、いくつかの有名ゲームタイトルの演出を手がけるようになりました。その豊かな経験は今でも多くのファンに記憶されています。

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