三上法夫

三上 法夫

三上 法夫（みかみ のりお、1947年3月1日 - ）は、広島県広島市に生まれた日本の元プロゴルファーです。河村雅之は彼の弟子にあたります。

アマチュア時代の輝き

ゴルフにおける三上選手の才能は、ジュニア時代から際立っていました。崇徳高校に在籍していた1962年には、全国高校選手権の個人戦で5位入賞を果たしています。特に注目されるのは、1964年の関西学生選手権です。高校生でありながら、当時並み居る大学生を抑え、決勝戦では2連覇中の強豪、中部銀次郎選手と対戦。激戦の末、3-2で勝利を収め、高校生として史上初めてこの大会を制覇するという快挙を成し遂げました。明治大学に進学後もその実力は衰えず、1967年には関東学生選手権および日本学生選手権の両大会で準優勝するなど、学生ゴルフ界のトッププレーヤーとして活躍しました。

プロ入りとツアー初優勝

1972年にプロゴルファーとしての道を歩み始めます。プロ転向後、着実にキャリアを積み重ね、1979年の日本国土計画サマーズで待望のツアー初優勝を飾りました。この勝利は特に劇的なものでした。本戦出場権をかけた予選会であるマンデートーナメントから勝ち上がり、本戦に進出。大会3日目には7バーディー、1ボギーという見事なゴルフを展開し、コースレコードタイとなる「66」をマーク。日吉稔選手と並んで首位タイに浮上しました。最終日は安定したプレーで70をマークし、通算9アンダーで逃げ切り優勝。これは、同年のフジサンケイクラシックで佐藤正一選手が達成したのに続く、マンデー勝ち上がりからの本戦優勝という珍しいケースでした。最終ホールでパーセーブして勝利を決めると、追い上げた森憲二選手らを退け、2位タイに入った吉川一雄選手から祝福を受けました。

安定した実力と試練

ツアー初優勝後も、三上選手はコンスタントに上位争いを演じ、安定した実力を見せました。1980年代前半にかけて、白竜湖オープン（1980年、5位タイ）、富山県オープン（1981年、5位タイ）、KSB香川オープン（1982年、4位）などで上位に入賞しています。特に1984年は好調で、ペプシ宇部トーナメントで6位タイ、三菱ギャランで9位。ミズノオープンでは、新井規矩雄選手、尾崎直道選手に次ぐ3位に入り、中嶋常幸選手や山本善隆選手といった実力者を抑える活躍を見せました。サントリーオープンでも、青木功選手や海外招待選手を含む強豪がひしめく中で5位タイに入るなど、円熟味を増していました。

しかし、30代半ば頃に身体の故障に見舞われ、ツアーのシード権を失うという厳しい時期を経験します。

故障からの復活優勝

逆境の中、三上選手はゴルフへの情熱を持ち続け、1986年末にはつるやゴルフの専属プロとなります。そして、大阪大学の森勇蔵教授との出会いが彼のキャリアに再び光を当てます。森教授が三上選手のために特別に作成したクラブを使用し始めたのです。この新たな武器を手に、1987年4月に推薦出場したブリヂストン阿蘇オープンで、ゴルフ史に残る劇的な復活劇を演じます。最終日、通算8アンダーでデビッド・イシイ選手や山本善隆選手らを抑え、見事な優勝を飾りました。この勝利により、再びツアーのシード権を獲得。優勝インタビューでは、「これは大阪大学の森教授のおかげです」と語り、その感謝の気持ちを表しました。この復活優勝は、多くのゴルフファンに感動を与えました。

その後の活躍と引退

復活優勝を遂げた1987年は、日本プロ選手権で8位タイ、富山県オープンや東北クラシックでも5位タイに入るなど、好調を維持しました。その後も、1988年のテーラーメイド瀬戸内海オープンや関西プロで2位タイ、1989年の中四国オープンで2位、仙台放送クラシックで4位タイに入るなど、常に優勝争いに絡む活躍を見せました。1991年のフィランスロピータケダカップへの出場を最後に、レギュラーツアーでの選手活動から一線を退きました。

三上法夫は、アマチュア時代の華々しい成績から、プロでのツアー複数優勝、そして身体の故障を乗り越えての劇的な復活優勝まで、そのゴルフ人生を通じて不屈の精神と粘り強いプレーを示し続けた選手として、日本のプロゴルフ界に確かな足跡を残しています。

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