三上義夫

三上義夫（1875年2月16日 - 1950年12月31日）は、日本の数学史家、和算研究家として知られています。彼は日本の数学と中国の数学を英語で西洋に紹介し、その業績は国際的にも高く評価されています。

生涯

三上義夫は、広島県高田郡上甲立村（現在の安芸高田市甲立）の旧家、三上本家に生まれました。1890年に広島高等小学校を卒業後、千葉県尋常中学校に編入学。その後、国民英学会や東京数学院で学びました。1895年に徴兵検査を受けますが、虚弱のため免役となり、同年、武と結婚しています。1896年には旧制二高に入学するも、眼病のため退学しました。

1905年より日本数学史の研究を開始し、1908年には菊地大麓に認められ、帝国学士院和算史調査嘱託に任ぜられました。1911年、東京帝国大学文科大学哲学科選科に入学し、1914年に修了。その後、東京帝国大学大学院に進学し、1919年まで在籍しました。大学院時代には、全国の和算史の事跡調査を行っています。

1923年に和算史調査嘱託を解任された後も研究を続け、1929年には国際科学史委員会の通信会員に選出されました。1933年からは東京物理学校（現・東京理科大学）の講師を務め、1944年まで教鞭を執りました。

1945年に妻・武が死去し、甲立町に帰郷。1949年、東北大学理学部から理学博士を授与されました。1950年12月31日、甲立町の理窓院にて逝去。その功績を称え、1958年には広島市に「三上義夫博士顕彰碑」が建立されました。

業績

三上義夫の主な業績として、以下の点が挙げられます。

日本と中国の数学史研究: 『支那数学ノ発達ヲ論ス』や『A History of Japanese Mathematics』などの著書を通じて、日本と中国の数学史を西洋に紹介しました。これらの研究は、東洋の数学が西洋の数学に与えた影響を明らかにし、国際的な学術交流の促進に貢献しました。
和算研究: 日本独自の数学である和算の研究に尽力し、その歴史的意義を明らかにしました。全国の和算史の事跡を調査し、多くの貴重な資料を収集・整理しました。
教育活動: 東京物理学校の講師として、後進の育成に努めました。

著作

『支那数学ノ発達ヲ論ス』（1908年）
『The Development of Mathematics in China and Japan』（1913年）
『文化史上より見たる日本の数学』（1947年）
『日本数学史』（1947年）
『日本測量術史の研究』（1948年）

これらの著作は、現在でも数学史研究における重要な資料として活用されています。

三上義夫は、日本の数学史研究において多大な貢献を果たした人物であり、その業績は後世に語り継がれています。

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