三五教

三五教についての詳細

三五教（あなないきょう）は、日本の神道系新宗教で、文部科学大臣所轄の包括宗教法人です。この教団は、1949年に中野與之助によって設立され、宇宙教とも称される教義を持っています。本部は静岡県掛川市の横須賀字万神堂に位置しており、神道を基本にした教派であると明言しています。

創始者の背景

創始者の中野與之助は1887年に静岡県焼津で生まれました。彼は1917年に名古屋に移り、木材商を営みながら1921年に大本に入信しました。1935年の第二次大本事件で入獄した後、友清歓真と共に、御穂神社の長沢雄楯のもとで本田親徳の霊学を学びました。

1949年、與之助は「清水に世界的宗教が生まれる」という啓示を受け、清水市（現静岡市清水区）で三五教を開教しました。1956年には大本教と共に世界宗教者会議を開催し、1961年には財団法人国際文化交友会を設立。これにより、精神文化に関する国際会議も定期的に行われてきました。1965年にはこの会議は「オイスカ・インターナショナル」と名称変更されました。

三五教の教義

三五教では宇宙大御祖を信仰対象としており、「天文即宗教」という教義が特筆されます。この教義において「三」の数字は日・月・星を示し、天体を、また「五」は木・火・土・金・水の五元素を指し大地の活動を表します。このように、三と五を組み合わせた「三五」は天地からの教えとして解釈されています。

宇宙の摂理は三五教の中心的な教えであり、天・地からもたらされる農作物はそれを具現化するものと見なされます。教義の中には、現世利益を説かない姿勢も含まれていますが、具体的にはNGOオイスカを通じて東南アジアなどでの農業活動を推進しています。

天文台の設立

三五教の活動の一環として、天文学者の山本一清の勧めにより、日本各地に天文台が設立されました。例えば、1960年代初頭に愛知県岡崎市に建てられた「国治天文台」では、特製のドーム型望遠鏡が星空を見るために設置されていましたが、都市化の進展に伴い、2005年に閉鎖されました。その他にも、多くの天文台が日本各地に設立され、今なお一部は研究や教育に貢献しています。

信者と文書

文化庁の『宗教年鑑』によると、三五教の信者数は約7,148人とされており、教団の拡大は続いています。また、著名な著作物として『玉泉』（1953年）や『霊界で観た宇宙一巻（鎮魂帰神）』（1965年）、『霊界で観た宇宙二巻（幽界）』（1965年）などがあることが知られています。

まとめ

三五教は、中野與之助の理念のもと、古来の神道を基にした新たな宗教的実践を展開しながら、宇宙と地球の調和を説いています。教団の構造やその活動は、信者にとっての心の拠り所となり、現在も多くの人々に影響を与え続けています。

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