三井昭二

三井 昭二

三井 昭二（みつい しょうじ）は、1948年に山口県で生まれた日本の著名な林学者です。特に森林学を専門とし、長年にわたり研究と教育の分野で顕著な功績を残しました。現在は三重大学名誉教授の称号を受けています。

経歴

三井氏は、東京大学農学部で学び、1972年に卒業しました。その後、東京大学大学院農学系研究科に進み、1979年まで研究活動を行いました。大学院での研鑽を積んだ後、日本学術振興会の奨励研究員や、財団法人林業経済研究所の主任研究員などを歴任し、研究者としてのキャリアを積んでいきました。

1994年には三重大学生物資源学部の助教授として教職に就き、教育者としてもその能力を発揮しました。1998年には同大学の教授に昇任し、森林学分野における研究室を率いる立場となります。多くの学生を指導し、後進の育成にも尽力しました。2011年からは三重大学名誉教授として、大学の発展に引き続き貢献しています。

研究と功績

三井氏の専門である森林学は、単に樹木や森林生態系を対象とするだけでなく、森林と人間社会との関わりを深く探求する「森林社会学」にも強い関心を持っていました。この分野における長年の研究と教育への貢献が認められ、2016年には第10回みどりの学術賞を受賞しました。この賞は、日本における緑や森林に関する研究・技術開発等で顕著な功績を挙げた個人に贈られる権威ある賞であり、三井氏の研究成果が高く評価されたことを示しています。

主な著作

研究成果は、多くの著作を通じて発表されています。単著としては、この分野の探求を示す『森林社会学への道』（日本林業調査会、2010年）があります。

また、幅広い研究領域への貢献を示すように、多数の共同編集や分担執筆による出版物があります。これらは、森林政策、林業経済、山村問題、環境問題など、多岐にわたるテーマを扱っており、その学術的な影響力の広さを示しています。主な分担執筆書としては、以下のものなどが挙げられます。

『《森林社会学》宣言』（有斐閣、1989年）
『日本村落史講座』（雄山閣、1991年）
『住民参加による流域の森づくり』（国土緑化推進機構、1995年）
『21世紀に向けた林業労働の新たな展開』（全国森林組合連合会、1997年）
『森林・林業・山村問題研究入門』（地球社、1999年）
『里山を考える101のヒント』（日本林業技術協会、2000年）
『森林・林業百科事典』（丸善、2001年）
Forestry and the Forest Industry in Japan（UBC Press、2002年）
『日本林業の構造的変化と再編過程』（農林統計協会、2002年）
『森林の百科』（朝倉書店、2003年）
『森林政策学』（日本林業調査会、2004年）
『森林環境2005』（森林文化協会、2005年）
『リーディングス環境　第1巻　自然と人間』（有斐閣、2005年）
『森林と木材を活かす事典』（産調出版、2007年）
* 『コモンズ論の挑戦』（新曜社、2008年）

これらの著作は、三井氏の研究活動が多角的であり、日本の林業や森林環境に関する様々な議論や研究の基盤作りに貢献してきたことを示しています。教育者、研究者としての長年の活動は、日本の森林学の発展に寄与するものです。

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