三井野原駅

三井野原駅（みいのはらえき）

三井野原駅は、島根県仁多郡奥出雲町八川に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）木次線の駅です。標高727mと、JR西日本の駅の中で最も標高が高い場所にあります。駅の愛称は「高天原」（たかまがはら）です。

歴史

三井野原一帯は、戦後開拓によって開かれた地域です。元々は「たたら御三家」と呼ばれる大地主、絲原一族の私有地でした。地形は緩やかでしたが、高地のため灌漑水が不足し、農耕には適していませんでした。絲原一族はたたら場を置いていましたが、定住する人はいませんでした。

1944年（昭和19年）に、食糧増産を目的に開拓が始まりました。戦後には緊急開拓事業の一環として入植が開始され、1948年（昭和23年）から「八川開拓地」として本格的な開拓が進められました。

木次線は1937年（昭和12年）に延伸開通しましたが、当時は駅は設けられませんでした。自動車が普及していなかった当時、開拓地の人々は坂根地区へ行くにも、険しい道を徒歩で往来する必要がありました。特に冬季の通学は困難を極め、出雲坂根駅で列車に乗り、三井野原付近で飛び降りる子供もいたほどです。

1949年（昭和24年）10月、住民は仮乗降場の設置運動を開始し、自力でホームを建設して国鉄に陳情しました。また、地元住民によってスキー場（三井野原スキー場）が開設されることになりました。これは、当地が丘陵地で豪雪地帯であり、木次線と国道314号が通っているという交通の便の良さに加え、駅設置を後押しする意味合いもありました。

地元新聞記者の尽力により、関係各所が働きかけ、米子鉄道管理局は三井野原に仮乗降場の設置を認めることとなりました。同年12月から営業を開始し、当初は1日2往復の停車でしたが、スキーシーズンには急行を含む全列車が停車しました。

1952年（昭和27年）には、スキー客の増加と営農の進展に伴い、正式な駅への昇格運動が始まりました。6年間の運動の結果、1958年（昭和33年）9月に正式な駅（旅客駅）に昇格しました。駅舎の建設費用は地元自治体が負担し、ホームの盛土は地元住民の奉仕活動によって行われました。

年表

1949年（昭和24年）12月24日：国鉄木次線出雲坂根駅 - 油木駅間に、三井野原仮乗降場が新設。
1958年（昭和33年）9月1日：三井野原駅に昇格。旅客営業のみ。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となる。

駅構造

備後落合方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する地上駅（停留所）です。木次鉄道部管理の無人駅となっています。

利用状況

近年の一日平均乗車人員は以下の通りです。かつては、広島方面から直通のスキー列車が運行されていました。

駅周辺

駅周辺には旅館などが点在しています。トロッコ列車から観光バスへの乗り換えがこの駅で行われることもあります。

三井野原スキー場
国道314号（奥出雲おろちループ）
道の駅奥出雲おろちループ
* 奥出雲交通三井野原駅入口停留所

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

木次線

出雲坂根駅 - 三井野原駅 - 油木駅

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