三人の名付親

『三人の名付親』の概要

『三人の名付親』は1948年にアメリカで公開された西部劇映画で、監督をジョン・フォードが務めました。本作は、ピーター・B・カインの1913年の小説『The Three Godfathers』を原作としており、過去にはサイレント映画時代にも何度も映像化されています。物語は、生まれたばかりの赤ん坊の名付け親となった三人のならず者たちを描いており、その絆や贖罪の旅をテーマにしています。

ストーリー

西部の砂漠を舞台に、ボブ、ピート、キッドという三人のならず者が登場します。彼らは銀行を襲撃しようとしたものの失敗し、逃げるために熱い砂漠の中へと足を踏み入れます。追っ手である保安官スイートから逃れる彼らは、砂漠の中で水を求めて彷徨います。その途中、彼らは打ち捨てられた馬車の中で瀕死の母親と出会います。実はその母親は保安官の姪であり、彼女は命を落とす前に赤ん坊を託けます。この瞬間から、三人は赤ん坊の名付け親となることを決意します。

追っ手に追われながらも、彼らは赤ん坊を守るために苦闘します。砂漠での過酷な状況の中、彼らは一冊の聖書に出会い、その教えから贖罪の旅へと導かれます。しかし、旅の途中でピートとキッドは命を落としてしまい、残されたボブは二人の思いを胸に抱いて歩き続けなければなりません。果たしてボブは赤ん坊を無事に保護し、彼の奇跡を伝えることができるのでしょうか。

映画の特徴と背景

『三人の名付親』はクリスマスの時期に公開されることを意図して製作されており、作品には宗教的なテーマが色濃く反映されています。また、本作は新約聖書に登場する「東方の三博士」を暗示しており、イエスの誕生時に訪れた賢者たちの姿を彷彿とさせます。

映画の撮影はカリフォルニア州モハーベ砂漠で行われ、32日間にわたりました。さらに、本作はジョン・フォードが1919年に監督した無声映画『恵みの光』のリメイクでもあり、旧作の主演者ハリー・ケリーに捧げられた作品です。ハリー・ケリーはジョン・フォードの盟友であり、その息子であるハリー・ケリー・ジュニアを世に出すことも目的とされていました。

評価と影響

映画『三人の名付親』は、様々な評論サイトでも高評価を得ており、Rotten Tomatoesでは12件のレビュー中83%が高評価とされています。また、Metacriticでも平均点82点を獲得しており、賛否の分かれる意見もあるものの全体として良好な評価を受けています。

この作品は後に多くの派生作品を生むこととなります。1985年のフランス映画『赤ちゃんに乾杯!』や、1987年のアメリカ映画『スリーメン&ベビー』、2003年に公開された日本のアニメ『東京ゴッドファーザーズ』などが挙げられます。これらの作品は、原作の物語を新しい視点で再解釈し、独自のストーリー展開を見せています。

『三人の名付親』は、ただの西部劇という枠を超えて、友情と贖罪のメッセージを持った感動的な作品です。

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