三休橋筋

三休橋筋：大阪の街を彩る歴史と近代が調和する通り

三休橋筋は、大阪府大阪市北区と中央区を南北に貫く主要な道路です。その歴史は古く、船場では「栴檀木橋筋」、島之内では「笠屋町筋」という別名でも親しまれてきました。北は土佐堀川に架かる栴檀木橋から始まり、南は道頓堀川に架かる太左衛門橋まで、船場と島之内のほぼ中央を南北に伸びる、このエリアの中枢をなす通りと言えるでしょう。

道頓堀通を境に、北側は道頓堀通以北の大阪市道三休橋千日前線にあたり、南側は千日前商店街へとつながり、なんばグランド花月前を通って、中央区と浪速区の区境であるなんさん通りへと至ります。道頓堀通以南ではやや西側にずれてはいますが、千日前という大阪を代表する繁華街と一体感を保ちながら、歴史と活気に満ちた街並みを形成しています。

特に、土佐堀通から中央大通までの区間は、2006年から2012年にかけて大阪市による大規模なプロムナード整備事業が行われました。この事業によって、電線が地下に埋設され、歩道の拡幅、街路樹の植樹などが実施され、景観が大きく向上しました。街路樹にはセンダンが植えられ、街灯には大阪ガスなどから寄贈されたガス灯が採用されるなど、細部にもこだわった整備が行われています。

沿道には近代建築が数多く建ち並んでおり、歴史的建造物との調和が見事です。大阪市中央公会堂をはじめ、淀屋橋スクエア、トレードピア淀屋橋、八木通商ビル、オペラ・ドメーヌ高麗橋など、多くの近代建築が三休橋筋沿いに存在し、歴史と現代が共存する独特の景観を作り出しています。また、船場ビルディングや大阪農林会館といった登録有形文化財、綿業会館といった国の重要文化財も点在しており、歴史的価値の高い建造物も数多く残されています。

道路愛称の由来となっている三休橋は、かつて長堀川に架かっていた橋です。往来の多かった心斎橋、中橋、長堀橋の三橋を「休ませる」ために架けられたという逸話が残っています。しかし、1964年の長堀川埋立により撤去され、現在は長堀通との交差点名としてその名を残すのみとなりました。

三休橋筋の交通体系は、区間によって異なります。長堀通以北は北行きの一方通行、長堀通から鰻谷北通間は対面通行、鰻谷北通から宗右衛門町通間は南行きの一方通行、そして宗右衛門町通から道頓堀通間は歩行者専用道路となっています。道頓堀通以南は、千日前通までは歩行者専用道路、その後は時間帯によって歩行者専用道路となる区間とそうでない区間が混在しています。

三休橋筋は、歴史的な建造物と近代的な高層ビルが調和した美しい街並み、そして、人々が集い、憩える空間を提供する、大阪の重要な道路の一つと言えるでしょう。周辺には、多くの商業施設や飲食店が立ち並び、活気に満ちた魅力的なエリアとなっています。今後ますますの発展が期待される、大阪を代表する通りの一つです。

もう一度検索